海星のエース宮原、力投も7回に被弾 堅守ほころぶ

【3回戦、海星-近江】強力打線を相手に7回途中まで力投した海星のエース宮原=甲子園

 堅守がほころんだ。選抜準優勝の近江(滋賀)に敗れ、46年ぶりの8強を逃した海星。加藤監督は「守り負け。(ミスがなければ)もっと終盤までいい流れでいけた」と悔しさをにじませた。
 大会屈指の右腕山田を相手にエース宮原は堂々と投げ合った。捕手西村が「同じような感じで来るから、自分が打者なら絶対嫌」と120キロ台のカットボールとスライダーを巧みに配球した。140キロ超の直球も威力があり、六回までに7奪三振。ただ、三回に被安打ゼロながら失策絡みで追いつかれ、投げても打っても山田に勢いづかれていった。
 決定打は七回、先頭を失策で出すと、犠打とライナーで2死二塁。三遊間の打球をつかんだ丸本が、一塁は間に合わないと三塁タッチアウトを狙ったが、ベースカバーが遅れた。流れは一気に相手へ傾き、塁が埋まった後、打席には山田。「抑えたい気持ちが前にいき過ぎた」(宮原)。高めに浮いた142キロは痛恨の満塁弾に変わった。
 目標の4強に届かず、好チームの悔やまれる試合になった。県勢3大会連続の3回戦敗退は、また甲子園の厳しさを教えてくれた。それでも強豪を連破し、この日も中盤まで互角に渡り合った海星は確かに強かった。外野席まで埋め尽くされた3万人の大観衆の惜しみない拍手がそれを物語っていた。宮原は言った。
 「今まで味わったことのない楽しい時間でした」


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