JR大宮駅前で高校生ら、政府に「核兵器禁止条約への署名と批准」を求める署名活動 共感する中学生も

紙芝居「ちっちゃい こえ」を実演する荒木陽永さん(右から2人目)=15日午後、さいたま市大宮区のJR大宮駅西口

 核兵器廃絶を求めて、埼玉県内の高校生らが15日、さいたま市大宮区のJR大宮駅西口で、日本政府に核兵器禁止条約への署名と批准を求める署名活動を行った。唯一の戦争被爆国が核禁条約に背を向けていると訴え、「若い人の声が大切。一筆でも多くの署名をお願いします」と呼びかけた。全国の高校生が署名活動をしており、19日に集めた署名簿を外務省に届ける。

 署名活動したのは、埼玉高校生平和サークル「ピースウィング」の高校2年荒木陽永さん(17)=さいたま市。荒木さんを含む同サークルの6人は今月4~6日、被爆77年の広島市を訪れた。被爆者の話を聞き、当日の惨状ばかりでなく、生き延びた後の差別について改めて知った。荒木さんは初の広島訪問で、「被爆者の生の声を聞いたことは貴重な経験だった」と語る。

 荒木さんはこの日、署名活動のほかに、米国出身の詩人アーサー・ビナードさん脚本の紙芝居「ちっちゃい こえ」(童心社)を実演した。画家の丸木俊さんと位里さんが描いた「原爆の図」を基に、核兵器の恐ろしさを伝える作品で、紙芝居の挑戦は初めて。

 荒木さんは「紙芝居を一瞬でも見てくれる人がいて、手応えを感じた。呼びかけに共感してくれる中学生もいて、うれしかった。署名で託された思いを外務省に届けたい」と話していた。

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