遊んだことある?クモを戦わせる「クーバーオーラセー」に歓声 子どもから大人までが昔遊び楽しむ 沖縄・東村の博物館

 【東】東村立山と水の生活博物館(比嘉鶴見館長)は7日、村内のクモの生態を紹介する「スパイダー展」の企画で、クモを戦わせる昔の遊び「クーバーオーラセー」大会を開催した。子どもから大人までが対戦し、クモたちのユニークな動きに歓声が沸いた。

 クモに詳しい千木良芳範・元県立博物館・美術館副館長によると、クモ合戦は九州・四国を中心に昭和20年代ごろまで全国で見られた。現在は、鹿児島県旧加治木町(現在の姶良(あいら)市)などに伝統行事として残る。県内では大宜味村やうるま市、八重瀬町、竹富町などで見られ「クーバースーブ」とも呼ばれた。

 大会はクモ同士を棒上で戦わせ、先に逃げた方が負けるルール。職員が事前に東村内や大宜味村の山で捕穫したヤマシロオニグモを使い、県内各地から参加した16人がトーナメント制で戦った。

 クモは棒を行きつ戻りつ糸でぶら下がったりしながら戦い、勝負が付くと「おお~」と声が上がった。動かないクモや対戦相手と並んで移動し始めるクモもいて、比嘉館長らが「眠いそうです」「仲良くなってしまいました」などと解説すると会場は笑いに包まれた。

 優勝した松島葵さん(7)=沖縄市立美原小1年=は「クモがひっついて闘う様子が面白かった」と語った。企画した同館の宮城達也学芸員(60)=大宜味村出身=は「子どもの頃、捕まえたクモをマッチ箱で飼い、友達同士で戦わせて遊んだ。自然の中から遊びを作ることを今の子に伝えたい」と話した。

 同館は31日まで、千木良さんが調査したクモ115種類の生態を伝える「スパイダー展」を開催中。一般200円、小中高生100円。月曜休館。問い合わせは同館(電話)0980(51)2828。(岩切美穂)

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