多様な出会い求め選択<秋保で商う 仙台・新天地の挑戦>(3)レザーショップ・庄子博さん

牛革を型取りする庄子博さん(右)と妻桃子さん

 仙台市太白区の秋保地区にほれ込み、起業する人たちが増えている。ソーセージ店、革製品工房、北欧料理カフェなど業種は多彩。夏空の下、古くからの温泉地に新たな息吹を吹き込もうと新天地で商う人を訪ねた。(報道部・池田旭、高橋葵)

■イタリアの牛革を使用

 真新しい木製の扉を引くと、なめしの匂いがほんのり漂う。店内のテーブルにあった牛革製の手のひらサイズの財布は、滑らかな手触りで良くなじむ。
 店主の庄子博さん(35)が「昨日、ニューヨークから来たお客さんが買ってくれた。開業から半月で海外進出できた」と冗談交じりに話す。
 レザーショップ「bau leather(バウレザー)」は、7月30日に仙台市太白区秋保地区にオープンした。店内にはバッグや財布、ペンケースなど約20種が並ぶ。庄子さんが店の奥にある工房で一つ一つ手作りしている。
 バウレザーの製品は革の強度が特徴。しわや傷など天然の風合いが特徴的なイタリアのサンタ・クローチェ地方の牛革を使う。
 革製品は一般的に、つなぎ目を目立たなくするために薄く加工するが、その分、強度が落ちる。庄子さんは長く愛用してもらおうと、革が曲がるぎりぎりの厚さに仕上げる。厚みがあるほど形が丸みを帯びて優しい印象になる。

■10年の製革会社勤務を経て独立

 太白区の八木山地区出身。東北芸術工科大学(山形市)の在学中、革細工を作る友人を見て革製品に興味を持った。青葉区、宮城県川崎町の製革会社で計約10年勤務し、製品作りから販売まで自分の力でやってみようと独立した。
 「地元仙台の人だけでなく、いろんな人と出会いたい」。そんな思いから、県内外から観光客が訪れる秋保を選んだ。
 昨年末、妻の桃子さん(35)と青葉区から転居した。暮らし始めてすぐ、新規事業者を受け入れ、切磋琢磨(せっさたくま)する地域性に気付いた。
 刺激的な場所で事業をスタートさせた庄子さん。「『秋保ってかっこいいよね』と言われる場所にするのが目標。子どもも高齢者も、生き生きと暮らせる場所づくりの一端を担いたい」

[メ モ]ペンケース、コインケースなどの小物類は1000円台~5000円台。トートバッグは2万円台~4万円台。営業時間は午前11時~午後5時。水曜定休。仙台市太白区秋保町湯元寺田原1の7。店舗ホームページを近く開設する。

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