つみたてNISAを始めて3年で30%プラスに…このまま積み立てを続けるべきか?

2018年からスタートした「つみたてNISA」。少額から積立投資ができ、しかも利益に対して非課税で運用を続けられるので、オススメの制度です。

しかし、数年続けていくと「この先どうしたらいいのだろう? 」と、不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は「つみたてNISA」を数年続けてきた方に対して、この先どうしたらいいのか、そして資産運用を成功させる根本的な考え方についてお伝えしていきます。


3年続けたら、30%以上のプラスに?

毎月3万円を積み立て、3年間続けた場合の積立総額は108万円です。

例えば、米国株式を投資対象とした投資信託に3年間積み立てた場合には、140万円(2019年8月~2022年7月、月初に積立)超となり、多くは30%以上のプラスになっているはずです(商品により異なります)。

「つみたてNISA」は、いつでも好きな時に売却することができます。そして、非課税メリットは、利益がプラスのときに売却しなければ受けることはできません。

「30%以上の利益。この後下がるかもしれないし……そろそろ売却して、利益を確定した方がよいのでは?」

そんな考えが頭をよぎる方もいるのではないでしょうか?

資産運用の前提は、世界経済の成長

今後の運用について、どのように考えていけばよいのか−−そもそも資産運用には、「世界経済は将来も成長していく」という考え方が前提にあります。

では、実際に世界経済はどのように推移してきたのか、ここでは世界のGDP(国内総生産)の推移をみていきます。GDPとは、一定期間内に国内で生み出された付加価値の総額、つまり儲けのことをいいます。

図表は世界のGDPの推移を示しています。1980年から現在にかけて、多少のアップダウンはあるものの、先進国も新興国もGDPは増加しています。そして、それらを合わせた世界経済も右肩上がりに増加しています(2022年以降は予測)。

これを踏まえ、今後も世界経済は成長していくと考える場合、資産を増やしたいと思うのであれば、つみたてNISAは続けていけばよいといえるのではないでしょうか。

ゴールを明確にすれば迷わない

では、つみたてNISAはいつまで続ければよいのか、それを考える上で質問です。

あなたは、何のために運用をしているのでしょうか? 「お金を増やしたい」というのなら、どのくらい増やしたいのでしょうか? いつの時点でどのくらいの資産を作りたいのでしょうか?

「いつの時点でどのくらいの資産を作りたいのか?」

これをファイナンシャル・ゴールといいます。ファイナンシャル・ゴールを明確にすれば、資産運用の方法も明確になります。

例えば、現在30歳で「60歳までに2,000万円の資産を作りたい」と考えたとしましょう。60歳まであと30年間あります。

月3万×12月×30年=1,080万円

預貯金(利回り0%)で積み立てると1,080万円となり、目標額には足りません。

月3万円を積み立てながら、30年間で2,000万円の資産をつくるために必要な利回りは、3.8%です。利回りの計算式は割愛しますが、金融庁の資産運用シミュレーションをはじめ、「積立 シミュレーション」と検索すると、いろんなシミュレーションができるサイトが出てくるので、確認してみてください。

そして、過去の運用実績などを確認し、3.8%以上の利回りが実現できそうな商品を選び、月3万円の積立を30年間続けていけば、きっと60歳で2,000万円というファイナンシャル・ゴールを実現することができるでしょう。

ゴールを明確にすれば、やるべきことが見えてきます。そして、30年という長い間も、気持ちがブレることなく、資産運用を続けることができるでしょう。

ぜひ、ファイナンシャル・ゴールを定めて資産運用に取り組んでくださいね。

非課税期間が終わったら?

ちなみに、「つみたてNISA」で非課税で運用できるのは、今のところ20年間です。20年という期間が終了したあとは、普通の課税口座で運用を続けることができます。

20年間で得た利益に対しては非課税であり、課税口座に移したあとの利益に対しては課税されますので、それも念頭に入れて運用計画を立ててください。

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