【中国】四川で電力逼迫、日系企業も稼働停止[経済]

中国で今夏も電力の供給制限の動きが出始めている。四川省では15日から6日間、企業の操業停止を求めた。猛暑で電力需給が逼迫(ひっぱく)しているためで、現地に工場を持つ企業は相次ぎ操業を停止。トヨタ自動車をはじめ日系企業にも影響が出ている。

証券時報(電子版)によると、四川省は21都市中19都市の工業企業を対象に、15~20日の稼働停止を要請。省内の成都市や眉山市、楽山市などは今週も最高気温が40度を超える猛暑が続いており、企業の操業を停止することで家庭向け電力を確保する。

この影響で、化学メーカーの四川国光農化や四川美豊化工、自動車用エンジンなどの四川浩物機電、アルミニウム生産の河南中孚実業など複数の上場企業が四川工場の操業停止を相次ぎ発表した。

EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手の鴻海精密工業の傘下企業、富士康科技集団(フォックスコン)も成都工場の生産を止めたと報じられている。米アップルの腕時計型端末「アップルウオッチ」などといった複数製品の組み立てを手がけているとされる。

影響は日系企業にも広がっている。トヨタ自動車は16日時点で、セダン「アバロン」や小型バス「コースター」を生産する成都市内の合弁工場の稼働を止めた。

成都市内に油圧ショベルの工場を持つ建設機械大手のコベルコ建機では、15日から工場への電力供給が止まり、工場に設置していた大型発電設備を使って生産を継続している。

中国では昨年9月にも、地方政府による環境対策の強化や発電用石炭の供給不足などを背景に電力需給が逼迫し、国内各地で電力の供給制限や停電が起きた。今夏は各地で記録的な暑さが続き、需給の逼迫を招いている。

国家発展改革委員会の金賢東報道官は16日の会見で、今夏の気温上昇と景気の回復加速を背景に、電力需要が全国的に高まっていると指摘。水力発電量の減少も重なり、発電用石炭の供給に圧力がかかっていると説明した。

金氏によると、8月1~14日の発電所の石炭消費量は前年同期比15%増の816万トンで、3日には849万トンと過去最高を記録した。

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