『シュレック・ザ・ミュージカル』笑いっぱなしの90分!おとぎ話はハッピーエンド!

ブロードウェイで人気を博した『シュレック・ザ・ミュージカル』のトライアウト公演が8月15日より好評上演中だ。

映画『シュレック』を元に2008年にブロードウェイにてミュージカル化され大好評を博した本作が、日本初上陸。186cmの体躯のspiがシュレックを、ヒロインとなるフィオナに福田えり、お調子者の喋るロバ・ドンキーに吉田純也、ファークアード卿に泉見洋平。その他、ジンジャーブレッドマン役の岡村さやか、ドラゴン役の須藤香菜、ピノキオ役の新里宏太ほか実力かつ個性的な俳優陣が集まった。
『シュレック』は、『マダガスカル』『カンフー・パンダ』など数多くの子供向けアニメ映画を手掛けてきたドリームワークスが2001年に制作、史上初のアカデミー長編アニメ映画賞を受賞したアドベンチャーコメディ映画。

「仲間との絆」や「真実の愛」、「困難に立ち向かう」という普遍的テーマをジョークやパロディ満載で描いた『シュレック』は子供だけでなく、大人も夢中にし、公開から20年経った今でも世界中で愛されている。

出だしは、定番の言葉「昔、昔…」子供のシュレックとその両親、7歳で独り立ちするシュレック。”そういうものだ”という空気感。ピロピロストローで祝福(笑)、だが、その容姿で人間に追いかけられる、その次、大きくなったシュレック(spi)が人間を追いかける。ひとりぼっちで沼に住んでいる。「ここは最高だぜ♪」と歌い、「一人きりが気楽さ♪」とも歌う。”おひとりさま”満喫、といえば聞こえはいいが、「孤独な運命 嫌われるさだめ」そして「好かれるのはどうもむず痒い」と。ひとりぼっちに慣れっこのシュレック。そこへ兵士に連れられたおとぎ話の登場人物たち。三匹の子豚、ピーターパン、ピノキオ、魔女、オオカミetc.ファークアード卿(泉見洋平)のおふれ、”おとぎ話の生き物たちを追放する”と。このよく知られているキャラクターたちが…ちょいとシニカル。

ピノキオの甲高い声、訛りの強い三匹の子豚などなど、彼らは国を追われ、シュレックの住む沼地に連れてこられたのだった。騒々しくなって閉口するシュレック、元の生活を取り戻すべく、ファークアード卿のところへ。途中でおしゃべりロバのドンキー(吉田純也)に会ったり。ファークアード卿はシュレックに「自分の代わりにドラゴン(須藤香菜)と戦って囚われの姫・フィオナ(福田えり)を救い出せ」と言われ…が大筋。

映画を観ていたり、あるいはブロードウェイのミュージカルも知っていたりすれば、展開は先刻承知であるが、ミュージカル、とにかく歌、歌、歌!メロディーや曲調もさることながら、歌っている内容が皮肉たっぷりだったり。

そして定番の”お姫様”、フィオナは見た目は定番の姫そのものだが、お約束の”白馬に乗った騎士様が助けにくる”と思い込んで、花束持って寝たり(笑)、また怪力だったり!とにかく、細かい笑いが多く、客席からは笑い声が絶えない。

またミュージカルファンなら”ここの場面って”っていうシーンがちょこちょこ。ファークアード卿が!小さい&テンション高い!出てくるキャラクター全てが”ヘンテコ”だが、どこか愛嬌があって可愛らしい。ピノキオは素っ頓狂な甲高い声、これを新里宏太が演じているのだが、ブロードウェイ版に負けないくらいの声!ジンジャーブレッドマン役の岡村さやかも!すごい声!一体どこから声出してるのか?!と思うくらい。spi、福田えり、吉田純也、泉見洋平はもちろん、皆、歌唱力が高く、全てオーデションということだけあってキャスティングのこだわりとオーデションの厳しさを感じる。なかなか、ちょっとやそっとでは突破できないオーデションだったのだな、と思わせる。もちろん、この手合いのおとぎ話はバッドエンドにはならないので!!普遍的なテーマ、絆、愛などの他にシュレックがいうセリフ「好かれるのはどうもむず痒い」、長らく孤独だったシュレック、それが当たり前だと思っていた。容姿で避けられていたこと、それは今でもある。見た目、その人のバックボーン、どこの人なのか、それだけで差別されたり、あるいは何気に分断されていたり。今の時代に通じることも多く盛り込まれている。文字通り、大人も子供も性別、年齢、国籍も問わない内容、映画自体は2001年、つまり、すでに20年以上!今回はトライアル公演なので、本公演がかなり楽しみ。このトライアル公演でもすでにレベルが高いので!できることなら夏休みの定番ミュージカルとして定着して欲しい。

<インタビュー記事>

▼あらすじ
物語の主人公は、人里離れた森の沼のほとりに住む、怪物シュレック(spi)。
彼にまつわる恐ろしい伝説とは裏腹に、気ままな生活を送っていました。
そんなある日、領主によって国を追放されたピノキオ(新里宏太)をはじめとするおとぎ話の住人たちが、シュレックの住む森に押し寄せてきます。
静かな生活を取り戻したいシュレックは、追放令を取り消すよう領主・ファークアード卿(泉見洋平)に交渉。
真の王になるためにプリンセスとの結婚を目論んでいたファークアード卿は、ジンジャーブレッドマン(岡村さやか)から情報を聞き出し、シュレックたちに「自分の代わりにドラゴン(須藤香菜)と戦って囚われの姫・フィオナ(福田えり)を救い出せ」という交換条件を出します。
仕方なくシュレックは、お調子者の喋るロバ・ドンキー(吉田純也)を道連れに、沼を取り戻すため冒険の旅に出たのですが・・・・

概要
公演名:『シュレック・ザ・ミュージカル』トライアウト公演
日程・会場:2022年8月15日(月)~28日(日) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場) ★15日 プレビュー公演。
スタッフ
原作:ドリームワークスアニメーション『シュレック』/ウィリアム・スタイグ『みにくいシュレック』
脚本・作詞:デヴィッド・リンゼイ=アベアー
作曲:ジニーン・テソーリ
翻訳・訳詞・音楽監督:小島良太
演出:岸本功喜
振付:岸本功喜・中塚晧平 美術:松生紘子 照明:日下靖順(ASG) 音響:遠藤宏志(アコルト) 映像:O-beron inc.
衣裳:永橋康朗(はせがわ工房) ヘアメイク:小竹珠代 特殊造型:林屋陽二 歌唱指導:小島良太 稽古ピアノ:森本夏生演出助手:坂本聖子・加藤由紀子 舞台監督:辻 泰平(DDR) 技術監督:堀 吉行(DDR) 制作:S-SIZE
出演:spi 福田えり 吉田純也 岡村さやか 須藤香菜 新里宏太 鎌田誠樹 鈴木たけゆき 熊澤沙穂 岩﨑巧馬
大井新生 澤田真里愛 石田彩夏 大村真佑 小金花奈・矢山花(Wキャスト)/泉見洋平
主催・企画・製作:フジテレビジョン/アークスインターナショナル/サンライズプロモーション東京

公式HP: https://www.shrek-musical.jp/

舞台写真撮影:阿部章仁

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