反戦、男女平等を希求 故 葛西よう子さんの生涯たたえ ゆかりの市民集う

葛西さん(中央)の思い出や功績を語り合った会=長崎市築町、メルカつきまち

 長崎を中心に市民運動や女性史研究で活躍した故・葛西よう子さん(昨年7月27日、85歳で死去)の思い出を語り合う「葛西よう子を楽しく語る会」が11日、同市内で開かれた。ゆかりのある市民約50人が参加し、反戦や男女平等を希求した生涯をたたえた。
 葛西さんは福岡県出身。結婚を機に長崎市に移り、高校教諭の傍ら3人の子どもを育てた。女性の地位向上をめざす「ばってん・うーまんの会」や「長崎YWCA」をはじめ、「長崎女性史研究会」など多方面で活躍。草の根から反核平和を訴える「市民運動ネットワーク長崎」では共同代表を務めた。
 所属した二つの団体のメンバーや長女の愛さんが発起人となり、昨年、お別れ会を企画したが、コロナ禍の影響で延期していた。3人の子どもが、葛西さんの晩年のエッセーをまとめた「葛西よう子ノート」も配布した。
 会では、スクリーンに映し出された葛西さんの写真を背景に、活動で縁があった約10人が快活で「何があっても臆しない」という人柄のほか、仕事や活動の傍ら子育てに熱心だった姿を語った。
 「ばってん・うーまんの会」でともに活動した女性は、240回余りの会報を本にする際、葛西さんが率先して製作したエピソードに触れ、「専門的な情報量と記憶力に優れた人だった」と振り返った。愛さんは「最後まで楽しい人生を送っていた。皆さんのおかげ」と笑顔で話した。


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