福井県美浜町が40年ぶり地方交付税の不交付団体 美浜原発3号機の対策工事完了で固定資産税増加

 県と市町の財源不足を補う2022年度地方交付税(普通交付税)の額が決まり、原発関連の税収が増えた福井県美浜町が1982年度以来、40年ぶりに「不交付団体」となった。同町の2021年度の地方交付税額は約1億6900万円だった。県内の不交付団体は、2年連続の高浜町と合わせ2町になった。

 美浜町によると、関西電力美浜原発3号機の安全対策工事が21年度に完了したことに伴い、固定資産税が前年度より4億円ほど増え、約28億7900万円を見込むことなどが要因。安全対策工事は新規制基準をクリアするための措置で、17年6月から総額約2700億円をかけて実施した。

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 国が後に交付税措置する臨時財政対策債(臨財債)を合わせた実質的な交付税額は、県が前年度比12.8%減の約1371億5千万円。17市町の合計は同7.9%減の約679億8千万円だった。

 実質交付税額は県、17市町の合計ともに3年ぶりの減額。県は「新型コロナウイルス禍で落ち込んだ企業実績が一定程度回復し、法人事業税など地方税収の伸びが見込まれることが影響した」としている。

 県分の内訳は、普通交付税が前年度比0.4%増の約1329億9千万円、臨財債発行可能額が同83.3%減の約41億6千万円。

 市町の実質交付税額は、おおい町のみ前年度に比べて増加した。

 交付税は主に人口や面積から必要な行政経費を計算し、地方税など独自収入が足りない自治体に年4回に分けて配る。

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