ファイル自動削除ソフト使い元の職場の顧客情報を削除、男に有罪判決 福井地裁敦賀支部「犯行は計画的かつ悪質」

 元の職場である福井県敦賀市内の自動車販売会社のパソコンにファイル自動削除ソフトをインストールし、顧客情報などのデータを削除し業務を妨げたとして、不正指令電磁的記録供用と電子計算機損壊等業務妨害の罪に問われた同市、無職の男(50)の判決公判が8月17日、福井地裁敦賀支部であった。田中一孝裁判官は懲役1年6月、執行猶予4年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。

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 弁護側は無罪を主張していたが、田中裁判官は被告がファイル自動削除ソフトを使ってデータを削除したことを認定。「犯行は計画的かつ悪質で、会社は多額の損害を被っている」と非難した。一方で、前科がないことなどを考慮し、執行猶予を付けることが相当と判断したとした。

 判決によると、2020年8月8日午後4時55分ごろから同5時15分ごろの間に、パソコン内にファイル自動削除ソフトをインストールし、21年1月4日に会社のローカルネットワークで接続されたハードディスク内のファイルを削除した。

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