手のひらをくぼめてすくって飲んだ山の清水のうまさ。両手をそろえてくんだ冷たい水でバシャッと洗ったときの顔の爽快さ。うわさにたがわぬ極上の名水だ。
平成新山を間近に望む国道57号沿いの普賢山龍照寺(南島原市深江町)から県道に折れる。案内看板に導かれて田園を進むと、清流と緑の木々が美しい「内野湧水」にたどり着く。
既に名水を求めて順番待ちの列。ポリタンクや2リットルのペットボトルを十数本持参している人も。市外から来た初老の男性は「夏はアイスコーヒーが最高」と、心地よい汗をぬぐった。
地域住民らでつくる「内野水利組合」が代々管理している。管理者の柴田栄敏さん(77)は「夏に手を浸すと3分でひんやりする。遠くは佐賀県から来る人もいる。代々の自然の恵みに感謝し守っていきたい」と話してくれた。