7月、静岡県西伊豆町の直売所で「新作アイスクリーム」の販売会が行われました。
<東海大学海洋学部の学生>
「美味しいですよ。塩風味もってー夏にぴったり」
<女性客>
「食べてみる」
<東海大学海洋学部の学生>
「ありがとうございます」
アイスクリームを買って食べたお客さんはその味に驚いていました。
<親子>
「キャラメルの甘い感じがしておいしい」
「うん!ホントだ!塩の感じとキャラメルが感じがおいしいね」
実は西伊豆の特産品が隠れていたんです。
<購入者>
Q.どうでしたか?
「鰹節の味もあって美味しい。カツオの風味がして、だけど生臭くなくて美味しかったですね。甘くて」
今回の「しずおか産」は「クールに潮カツオくん」です。「潮カツオ」は鰹を塩に漬け込んだ保存食で、カツオ節の元祖と言われています。
西伊豆町田子地区では「正月魚」として、その年の豊漁などを願い縁起物として飾られました。その「潮カツオ」をキャラメル味のアイスと合わせようと考えたのは、東海大学海洋学部で食文化の継承と地域振興を行う商品開発プロジェクトの学生たちです。
<東海大学海洋学部 高木海さん>
Q.潮カツオのアイスクリームミスマッチな組み合わせはなぜ?
「潮カツオは伝統食材なので、伝統を継いでいきたいという思いもあって、夏に販売したいというのがあって、夏場にどう売るかとなって、やっぱりアイスかなという感じで…」
塩分を含んだ潮カツオのアイスクリームは、猛暑の中で西伊豆を訪れる人たちの熱中症予防になればという思いもあります。
全国で唯一、西伊豆町だけで作られている潮カツオ。その潮カツオを大学生に提供しているのが、カネサ鰹節商店です。5代目の芹沢安久さんは、アイスに使う潮カツオにひと手間をかけます。
<カネサ鰹節商店 芹沢安久さん>
「これで燻し焼くことによって、カツオの独特の生臭みというか、そういうところが少し焙乾臭が入ることで軽減されるんですけど、燻すことによって旨味も増してくるので、ここでじっくり焼くことがすごく必要な作業になりますね」
燻した潮カツオは粉末状にします。
<カネサ鰹節商店 芹沢安久さん>
Q.アイスにするには、この作業は大事なんですか?
「粒子が荒いと味にむらが出ちゃったりするので、おいしく食べてもらうためには細かくする作業は必要なんです」
潮カツオの身が大きいとアイスクリームにカツオの風味や塩分が強く出てしまいます。でも、潮カツオの存在も感じてもらいたい。何度も試作を重ねてきました。
<カネサ鰹節商店 芹沢安久さん>
「新しい発想でこういうのが合うんじゃないかと作ってもらったってことは、驚くところでもあるし、自分の考えつかなかったことでもあるし、潮カツオの使い方を広げてくれているところは嬉しいな、ありがたいなと思っています」
<東海大学海洋学部 高木海さん>
「キャラメル味となっていて、お子様にもあう甘い味となっています」
<客>
「カツオ感はあるんですか?」
<高木さん>
「すごいおいしいんですよ。塩分補給にもぴったりで…」
伝統の技で作る西伊豆の「潮カツオ」。大学生の発想で暑い日にぴったりな「しずおか産」になりました。