中体連の出場も少子化が進む中、公立中学校の部活動を学校単位から地域に移行する検討がスタートしました。8月18日、静岡市で初めての教育会議が開かれました。
学校の部活動を巡っては、少子化の影響で部員が集まらないことや、指導する教員の長時間労働などが課題として指摘されています。スポーツ庁と文化庁の有識者会議は、まずは休日の部活動から段階的に移行していくことを基本とした改革の方向性を提言しました。
<静岡市教委 赤堀文宜教育長>
「部活動は単に技術の向上を図るためのものではありません。部活動が担う教育的な価値を忘れずに未来へと続く新たな部活動を構築していきたい」
静岡市では、競技経験のない顧問教員の割合が半数以上を占めていて、生徒が専門的な指導を受けにくいという課題があります(2019年のアンケートで51%)
そこで静岡市が考えた対策は「シズカツ」。まず、種目や地域の状況に応じて、市教委が近隣校のグループを指定し、拠点校を中心に活動するというものです。
グループで中体連の大会にも出場することができます。そして、専門的な指導のできる人材を確保します。こうすることで入部できる部活動の数が多くなり生徒の選択肢が増えるほか、経験のある指導員から教えてもらえるメリットもあります。
<佐野嘉則教育委員>
「地域の方は背負っていくので持続可能なモデルを進めたい」
<松村龍夫教育委員>
「指導者が教育に関係のない人が入ってくることは当然起こり得ますよね。自分の感性・感覚だけでやってしまわないか」
委員からは外部の指導者について、「教育者という観点の指導ができるか」「平日と休日で指導者が変わるのは混乱するのではないか」という意見が出ました。
静岡市は、指導者に研修を受けてもらうことや平日に指導する教員との意見交換の場を設けることで対応していきたいと話しました。次回の会議は10月に行われます。2022年度内に内容を決定し、2026年までに、休日の「シズカツ」を全市で展開することを目指すとしています。