NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の一人である鎌倉幕府の御家人、和田義盛を紹介する企画展が、大和市つる舞の里歴史資料館で開かれている。入場無料で9月19日まで。
市内南部の境川沿いには上和田・下和田地区がある。鎌倉時代の有力武将だった和田が居城を構えたとの伝承があり、地名の由来になったとの説も残されている。
伝承では、戦いで目を患った和田が薬師如来に祈願して治癒、希望した要職の侍所別当にも任用された。和田は約束した浄土宗信法寺の別院「薬王院」(同市上和田)を建立、眼病に効くとされるショウガの栽培を始め、境内で売る祭礼の起源にもなった。
市教育委員会が作成した絵本「薬師さまと和田義盛」の原画16点などを展示。源頼朝挙兵に加わり平家追討で活躍するも内乱で敗死する、大和市内の伝承と絡めてその半生を紹介している。
また、12年に1度とされる本尊・薬師如来坐像(ざぞう)を全開帳(9月6~9日)する寅(とら)年を迎え、薬王院の伝統行事を記録したビデオを上映している。
同館は「確実な史料の裏付けがなく、残念ながら和田氏ゆかりの地とまでは言えない。大河ドラマが始まり、市民からの問い合わせもあり、薬王院の祭礼期に合わせて今回開催した」と話している。