格納庫建設計画、国に中止求める 嘉手納町長と基地対協

 嘉手納町の當山宏町長=写真右=は19日、那覇市の外務省沖縄事務所で橋本尚文沖縄担当大使=同中央=と面談し、米軍嘉手納基地内の元駐機場「パパループ」地区への防錆(ぼうせい)整備格納庫の建設計画を前提とした文化財調査の即時中止を要請した。町民でつくる嘉手納町基地対策協議会の上地安重会長=同左=も同席し、建設計画の即時撤回を求める決議書を橋本大使に手渡した。

 橋本大使は、米軍が建設計画を前提とした文化財調査を実施していることを把握していると説明。「新しい施設に対する不安を受けとめないと、地元との信頼関係にダメージを与えるものと(米側に)説明し、善処を求める」と述べた。

 當山町長は「町の大反対の声を全く無視して格納庫の移設を前提とした作業が行われている。強い憤りを禁じ得ない」と強調した。その上で、米軍が示した計画よりも民間地から約400メートル離れた地点などに建設することを求めた。このほか、航空騒音の軽減なども求めた。

 上地会長は「住宅地域からわずか100メートルしか離れていないパパループ地区へ新たな施設が整備されれば、町民へもたらされる基地被害がさらに増加することになる」と訴えた。 

  (梅田正覚)

© 株式会社琉球新報社