旧統一教会と決別できず…岸田改造内閣 入閣の8人が「接点」

岸田首相は19閣僚のうち14人を交代させ、第2次岸田改造改革を発足させた。だが、旧統一教会と関係を持つ閣僚は8人、新副大臣・政務官は21人いることが判明した。怒りのヤマケンこと、元大阪府議でフリーライターの山本健治さんは「旧統一教会は地方議員も取り込んでいる。あぶり出さねばならない」と指摘する。(新聞うずみ火編集部)

山本健治。愛称は「ヤマケン」。高槻市議、大阪府議を務め、フリーライター、評論家。ワイドショー番組のコメンテーターとして活躍。その辛口なコメントは「ヤマケン節」と呼ばれた

岸田首相は8月10日、内閣改造と自民党人事を行い、国内外で歴史を画す課題が生じる中、「有事対応、政策断行内閣にした」と述べたが、優柔不断な首相が自己保身のためにポストをばらまき、安倍元首相の遺志を継いで「改憲・敵基地攻撃・防衛費引き上げを実現させる」と叫ぶ連中に媚びただけだ。昭和の戦前期、流れに押され、戦争への坂道を暴走していった首相たちと同じ、敗戦77年に改めて危機を感じないわけにはいかない。

今回の内閣改造と党人事は、昨年の衆院選、7月の参院選で大勝したものの、コロナ対策も物価対策も経済対策も中途半端であるのみならず、安倍元首相殺害事件で再び問題化した旧統一教会にケジメをつけた対応ができないため内閣支持率が低下し、あわてて刷新感を打ち出すためにやったものだが、ケジメがついていないのでさらに低下したことは誰もが知る通りだ。

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岸田首相は「国民の声を聞く」と言いながら、派閥の声しか聞いていないし、切るべきものを切れないから旧統一教会と関係を持つ新閣僚は8人、新副大臣・政務官は21人もいる。これで旧統一教会が日本の政治に影響を与えていないなどと、よく言えたものだ。

事件現場でも、それ以外の場所でも、安倍元首相追悼の列が絶えないことから、「国葬」にすれば支持率は上がると思ったのだろうが、国民は安倍元首相と安倍派議員たちが日頃は反韓・反朝をあらわにしているのに、日本は戦前、韓国を植民地にしていたのだから贖罪させて当たり前だと、洗脳や脅迫で日本の信者から巨額な寄付させている旧統一教会とその裏の顔である国際勝共連合と資金面でも選挙面でも関係を持っていたことを知り、国葬反対が賛成よりも大きくなっているのだ。

大阪市内で行われた国葬反対サイレントスタンディング=8月19日

国民は安倍派議員たちが旧統一教会との関係が明らかになるにつれ、手のひらを返したように関係を絶つと言うことに不信感を持ち、こんな議員を切れと思っているのに首相は切らない。これではダメだと思って支持率が落ちるのだ。

旧統一教会・国際勝共連合を創設した文鮮明氏は安倍元首相の祖父である岸信介元首相だけではなく、父の安倍晋太郎氏とも、さらには福田赳夫元首相ら有力政治家、笹川良一氏や児玉誉士夫氏ら右翼とも関係があって、選挙にも出ていたことは、政治の実際を知る者なら周知である。

中選挙区の時代の旧大阪3区、私の地元である大阪府高槻市を中心に、統一教会信者だった阿部令子氏が大蔵大臣や通産大臣をつとめた渡辺美智雄の秘書を名乗って86年、90年、93年の総選挙に立候補、うち90年には自民党公認で、落選したものの予想以上にたくさんの票を集め、以降も統一教会がウラで活動していたことは地元ではよく知られている。

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旧統一教会は国会議員だけでなく、地方政治や行政レベルでも入り込んでおり、今回の追及を表面だけで終わらせてはならない。

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