ドゥカティ、フロントロウを独占。バスティアニーニが最高峰クラスで初ポール奪う/MotoGP第13戦オーストリアGP

 8月20日、MotoGP第13戦オーストリアGPの予選がレッドブル・リンクで行われ、MotoGPクラスはエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)が最高峰クラスで初のポールポジションを獲得した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はホンダ勢最上位となる14番手だった。

 フリー走行3回目は気温19度、路面温度22度のドライコンディションで行われた。初日総合トップだったヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)がこのセッションでも序盤、トップに立ち、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が2番手に続いていた。

 その後、セッション中盤からトップを含めて順位は変動し、残り時間10分を切ってジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップタイムをマーク。チームメイトのフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が2番手に続いた。しかしクアルタラロがミラーのタイムを0.012秒更新。トップに立つ。

 この時点で、残り時間13分に2bコーナーで転倒を喫したアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)はQ2ダイレクト進出圏のトップ10に入っていない状況だった。アレイシ・エスパルガロは残り時間5分を切ったところでコースインし、アタックを再開。タイムを更新し暫定9番手タイムを記録するも、その後11番手に後退する。

 トップをキープしていたクアルタラロは終盤にもタイムを詰めたが、ザルコが最後のアタックで1分28秒964をマーク。唯一、1分29秒を切ってフリー走行3回目をトップで終えた。クアルタラロは2番手。3番手にはミラー、4番手にはホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)、5番手にはバニャイア、6番手にはエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)というドゥカティライダーが続いている。

 アレイシ・エスパルガロは11番手でセッション終了。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は12番手で、Q2へのダイレクト進出を逃すことになった。
 
 フリー走行4回目ではバスティアニーニがトップ。2番手がルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)、3番手がバニャイア。バニャイアはセッション中に転倒を喫している。クアルタラロは4番手。5番手はマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)だった。

■予選はドゥカティ5台がトップ6に

 予選のQ1は気温22度、路面温度26度のドライコンディションでスタートした。アレイシ・エスパルガロや中上などがQ1からの予選となった。アレイシ・エスパルガロがQ1に挑むのは、第4戦アメリカズGP以来のことである。

 セッション前半はトップにアレイシ・エスパルガロ、2番手にポル・エスパルガロと、エスパルガロ兄弟がトップ2につける。アレイシ・エスパルガロは終盤にもタイムを詰めてトップをキープ。一方、2番手にはファビオ・ディ・ジャンアントニオ(グレシーニ・レーシングMotoGP)が浮上し、アレイシ・エスパルガロとディ・ジャンアントニオがQ2進出を果たした。中上は最後のアタックで自己ベストを更新したが、惜しくも4番手に終わった。

 続いて行われたQ2では、序盤にミラーがトップ、2番手にバスティアニーニ、3番手にザルコがつける。セッション後半に入ると、いち早くコースインしたバニャイアが自己ベストを更新して2番手に浮上し、その翌周にはトップタイムをマークした。

 しかし残り時間1分を切って、バスティアニーニがバニャイアのタイムを0.024秒更新する1分28秒772を叩き出し、トップに浮上した。クアルタラロもタイムを詰めたものの、トップには届かなかった。

 この結果、バスティアニーニがMotoGPクラスで初のポールポジションを獲得した。2番手はバニャイア、3番手はミラーで、ドゥカティ勢がフロントロウを席巻した。さらに4番手にマルティン、5番手がクアルタラロ、6番手はザルコが獲得したことで、2列目までに5人のドゥカティライダーが並ぶことになった。Q1を突破したアレイシ・エスパルガロは9番手。3列目から決勝レースを迎える。

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