吉武(島原高-日体大) U20世界レスリング選手権・女子65キロ級V

女子65キロ級で優勝した吉武(日体大)=ブルガリア・ソフィア

 レスリングのU20(20歳以下)世界選手権は19日、ブルガリアのソフィアで女子5階級の決勝などが行われ、65キロ級で吉武まひろ(島原高-日体大)が優勝を飾った。62キロ級の尾崎野乃香(慶大)、57キロ級の屶網瑠夏(至学館大)も金メダルを獲得した。
 65キロ級は16人が出場。欧州2位との1回戦で判定勝ちを収めた吉武は、準々決勝、準決勝をテクニカルフォールで勝ち上がった。決勝は年代別アジア女王のプリヤンカ(インド)と対戦。第1ピリオドを2-0で折り返すと、第2ピリオドもポイントを連取して8-0で快勝した。
 吉武は大学3年生で、早生まれのためU20の対象選手。今回が自身初の国際大会優勝となった。

◎“攻めの姿勢貫く” 地道な努力で飛躍、快勝

 女子65キロ級で吉武(日体大)が自身初の世界一に輝いた。インターハイの57キロ級を制したのが2019年。それから3年後の夏に大きく成長した姿を見せた20歳は「この大会に向けて、かなり念入りに準備してきた」と好結果を喜んだ。
 「守りに入っても外国人選手は間合いが広い」と分析し、逆に攻めの姿勢を貫く戦術で勝負した。決勝はカウンターでバックを取って開始1分を待たずに先行。第2ピリオドも積極的にタックルやローリングを繰り出し、突破口を見いだせない相手を尻目に次々と加点した。優勝が決まると国旗を掲げてウイニングラン。表彰式ではチャンピオンベルトを堂々と腰に巻いた。
 ライバルが多い強豪大学に所属していることもあって、これまで目立った成績を残せていなかった。その中で実力者たちと普段からスパーリングを繰り返しながら地道に力をつけている。
 頭角を現してきた大学3年生は「入学したての頃は何もできなかったけど、ちょっとずつ追いついてきた手応えがある。12月の天皇杯(全日本選手権)で優勝したい」とさらに大きな目標を掲げていた。


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