失意のヌービル、コースオフ地点は「予想外に砂が出ていた」/WRC第9戦ベルギー デイ2後コメント

 ベルギー西部のイープルで開催されているWRC世界ラリー選手権第9戦『イープル・ラリー・ベルギー』は8月20日、デイ2のSS9~16が行われ、前日2番手だったヒョンデ・シェル・モビスWRTのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合首位に浮上した。総合2番手にはエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が8.2秒差で続いている。そんな競技2日目の戦いを終えた各陣営のドライバーコメントは以下のとおりだ。

■Mスポーツ・フォードWRT

●ガス・グリーンスミス(#44 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合21番手

「どんどん進んでいくこと。それが僕たちにできることのすべてだ。ベッドに入ってぐっすり寝て、朝はもっといい仕事をするんだ」

●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合5番手

「今日についてはとても満足している。自信につながったし、本当にポジティブだ。最終日にオリバー(・ソルベルグ)に追いつけるか見ていこう」

※コメントはいずれもSS16直後のもの

ガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第9戦イープル・ラリー・ベルギー
アドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第9戦イープル・ラリー・ベルギー

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイリタイア

「チーム全体にとっても、週末の間ずっとステージにいてくれたすべてのファンにとっても、とても残念な結果になってしまった。SS15の低速左コーナーに差し掛かった。かなり滑りやすいターマックで、先に走ったクルマがまき散らした砂だらけだった。僕たちのペースノートには何も書かれていなかったので、そこがあれほどトリッキーになる可能性があることに気づいていなかった」

「グラベルクルーが通り過ぎた時はまだそこはクリーンだったんだ。だから予想外のことに足を取られた。できることは何もなく、アンダーステアが出て(アウト側の)側溝に突っ込んでしまった」

「マシンに大きなダメージはなかったが、残念ながら最後まで走り切ることができず、そこでリタイアするしかなかった。明らかに目標は優勝することだったし、今週末に大きな喜びをもたらしてくれたファンにお返しをしたかった。これが現実で、僕たちは本当にがっかりしている。でも明日はふたたび数キロを走り、最高のショーを見せるつもりだ」

●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合首位

「午前中はトランスミッションの不具合で苦労していた。四輪駆動が安定していなかったんだ。ランチタイムに交換することができたが、セッティングが変わったので適応するのに少し時間が掛かった。最後にはセッティングを信頼し、それに慣れることができた。全体的に午後のループは順調だったよ」

ティエリー(・ヌービル)に起きたことは残念だ。明日はフィンランドの続きのような感じだ。午前中は激しくプッシュするつもりだけど、それは決して簡単なことではない。エルフィン(・エバンス)はいい仕事をしてきているから、明日どうなるか様子を見なければならない」

●オリバー・ソルベルグ(#2 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合4番手

「今日はプランに忠実に進んでいったけれど、順位が上がるにつれて良いペースを見せることもできた。午前中のループは、アンダーステアと戦っていた。とはいえ、余分なスペアタイヤも積んでいたにしては順調だった。ランチタイムのサービスでいくつか変更を行なったところ、エンジニアとチームのおかげでマシンの感触ははるかに良くなった」

「午後は何カ所かの高速コーナーでスペアタイヤの余計な重さを感じたけれど、安全第一で進んだよ。ホームラリーでティエリー(・ヌービル)に起きたことは残念だ。とくにファンや家族が見ている時は、決していいものではない」

「今では、最終日に両方のマシンを完走させることがチームにとって重要だ。距離は短いけれどトリッキーなステージがある。また、(アドリアン・)フルモーとの差は小さいから、まだ何が起きてもおかしくない。引き続きトラブルを避けていかなければならない」

オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第9戦イープル・ラリー・ベルギー
オリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第9戦イープル・ラリー・ベルギー

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合2番手

「今朝は新しく作ったペースノートで走る場所が多く、とくに高いスピードから一瞬で低速になるような道がたくさんあって、とても大変な1日だった。もっと速く走れたのではないかと思うところも多くあったので、完全には満足できなかったが、結果的にはうまくいった」

「首位とのタイム差はそれほど大きくないので、明日が勝負の1日になるのは間違いない。このような僅差のラリーでタイムを縮めるのは大変だけど、プレッシャーをかけ続け、どうなるか様子を見たいと思う」

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合67番手

「素晴らしい仕事でクルマを直してくれたチームに感謝している。おかげで再スタートすることができた。クルマはまるで新車のようでパーフェクトな1日になった」

「最初のステージからフィーリングは良く、ベストタイムを出すことができたんだ。もちろん、今日は戦う必要がなかったので、とにかく楽しんで走ることにした」

「それでも、いいフィーリングを得るためには、少しプッシュすることも重要で、その結果いいタイムを出すことができた。明日のパワーステージでも今日と同じように走り、ポイントを獲得できることを期待している」

●エサペッカ・ラッピ(#4 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合3番手

「今日はとても安定した1日だった。さらに速く走れるポテンシャルはあったが、前後の選手とタイム差が大きくついていたので、無理にプッシュする意味はなかったんだ。実際、タイムについてはまったく気にせず、ただ良いリズムでミスなく走りきることだけを考えていた」

「その結果3位に順位を上げることができたので、うまくいったと思う。マージンが充分にあったので、とにかくコースから外れないように堅実に走ったよ。明日も引き続き同じように走り、フィンランドの日曜日のようなことにはならないように、何事もなくフィニッシュできることを願っている」

エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第9戦イープル・ラリー・ベルギー
デイ2で再出走を果たしたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第9戦イープル・ラリー・ベルギー
エサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第9戦イープル・ラリー・ベルギー

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