星野一義監督の「やらせろ!」の叫びに「これこそがTEAM IMPULだ」と一樹監督代行【SF第8戦決勝トップ3会見】

 8月21日にモビリティリゾートもてぎで開催された2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦。決勝後の会見で優勝を飾った関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、2位の平川亮(carenex TEAM IMPUL)、3位の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、そしてcarenex TEAM IMPULの星野一樹監督代行がレースを振り返った。

■関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)

決勝 優勝

「(前の優勝から)3年ほど間が空いたのですけど、7番手スタートから優勝でき、嬉しいです。終盤のペースは平川選手の方が速かったですけど、抜かれないという自信はありました。なので、自分にびっくりという感じでもなく、きちんとミスなく、しっかりと抑え切ることができて、どちらかといえばホッとしたという心境ですね」

「(ピットアウト後)正直、トラフィックには結構引っかかりました。もっと速く自分のペースで走れたのですけど、3台かな。2〜3秒以内に追いついてしまうと自分のペースで走れないので『この作戦失敗だな』と思ったのですけど、それ以上に自分が速く、いいタイムで走ることができたのでよかったです。……こればっかりは結果論ですね」

「ピットアウトした際に、前にもっとクルマがいたら今日みたいに勝つことはできなかったでしょう。こればかりは相手がいることなので、ある程度『こうだろう』というのは予想できますけどね」

「(終盤プッシュしていた時の状況は?)終盤だけではなく、常にプッシュしていました。たぶん前にクルマがいて、自分のペースで走ることができていないというだけですね。残り10周くらいで前が開けたから、おのずとタイムは上がりました」

「(平川との最後のバトルについて)自分は絶対にバトルで負けるつもりはないし、とりあえず、インだけは絶対に開けたくはない。自分が止まれなくても、抜かれるくらいだったら自分が飛んで行った方がいい。それくらいの気持ちでやっています」

「ただ、90度コーナーの競り合いに関しては、そこは自分のいままでの経験もありました。これがF3やF4に出ていた若い時だったら、目標を見失ってイン側のダスティなところでハードブレーキングしロックさせて、『あーやっちゃった』ということになっていたかもしれませんけどね。今はもう大人なので。しっかりとできました」

「(平川とのバトルの際の心境)バックミラーに平川選手が見えて、『すごく速いな』と、燃えてきましたね。これだけタイム差があっても、これを抑えたら腕の見せ所だなとも思って気合が入りました」

2022スーパーフォーミュラ第8戦もてぎ 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)

■平川亮(carenex TEAM IMPUL)

決勝 2位

「第6戦、第7戦と2戦連続でリタイアとなったので、まずはしっかりとポイントを獲ることができたことはよかったと思います。正直、勝ちたかったという思いもありますけど、6番手スタートから2位という結果は上出来だったかなと思いますね」

「前が開けるまでは我慢をして、前の隊列についていくような形でした。前が開けてからもそこから20周くらいあることは知っていたので、無理はせず。タイヤもマネジメントして走っていました」

「(ピットにに入った際のライバル勢とのギャップ差は予想どおり?)そうですね。結局『タイヤを変えてから抜く』という作戦だったので、できるだけギャップは広げなくてはならないので頑張って走りました。それに、タイヤ交換も結構速かったので、思っていたよりも前に出ることができましたね。あのピット作業があったからこそ関口選手へのアタックのチャンスも生まれたのかなと思います。そこはチームワークがよかったのかなと思います」

「今日勝てなかったので……鈴鹿で2連勝して終わりたいですね」

2022スーパーフォーミュラ第8戦もてぎ 平川亮(carenex TEAM IMPUL)

■星野一樹監督代行(carenex TEAM IMPUL)

「まず初めに、星野一義監督ではなくて、すいません(笑)」

「関口、平川ともにレーススタート前に、お互いのベストを尽くせば勝てるという作戦をお互いに採ったら、それが別々の作戦となりました。チームとして関口はこういう作戦、平川はこういう作戦というふうに行こうというのはなくて、それぞれのチームが37周を全力で戦って。あれだけ接戦でゴールできたということで、チーム全体ものすごいことを成したのだなと思います」

「残り3周くらいから(レース映像を)ちゃん見れなかったのですけど、素晴らしい結果を出せてよかったと思います」

「残り3周は本当にガチンコで。監督が真横にいたので『このままやらせますよ?』と言ったら『おう!やらせろ!やらせろ!』と、叫んで興奮されていたので『いやぁ、これがTEAM IMPULだな』と思いましたね」

「2台がぶつかろうが、優勝をかけた戦いを繰り広げて。ファイナルラップの90度コーナーを立ち上がった際にはヒヤッとしましたけど、あれすらも『TEAM IMPULだな』と思いながら見ていました」

2022スーパーフォーミュラ第8戦もてぎ 星野一樹監督代行(carenex TEAM IMPUL)

■牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

決勝 3位

「5番手スタートで3位に入賞ということで、ポジションは上げることはできましたけど、展開的には2番手を走っていて関口さんを追いかけていました。ただ、自分のペースは悪くはなかったのですけど、オーバーテイクをしかけに行くような感じにはなれず。難しい展開だったなと思います」

「戦略的には、関口選手も言ったように、僕も当初は失敗したと思いました。ただ、ステイ組をオーバーテイクしながらもペースは速かったので、結果的にそれはいい方向に進んだと思います。ただ、本当に僕もピットアウトした時は『あ、これ失敗やな』と。でも、うまくいったので」

「今までレースペースが厳しかったのですけど、シーズン中盤にかけてどんどんと良くなってきました。やはり、予選順位も前に行けたら、決勝も楽になるかなとも思うので。(初優勝まで)本当にあともう少しかなと、そう感じますね」

2022スーパーフォーミュラ第7戦&第8戦もてぎ 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

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