韓国の反日プロパガンダを撃退せよ!|和田政宗 なぜ韓国は「反日プロパガンダ」から卒業できないのか。韓国のプロパガンダの元になっているのは、日本の朝鮮統治が「植民地支配」「侵略」であったというものだが、当時の日本の統治は、「植民地支配」とも「侵略」とも言えないのである――。

旧朝鮮半島出身労働者問題は韓国の国内問題

韓国における「旧朝鮮半島出身労働者」訴訟で賠償が命じられた日本企業の韓国内資産売却の可否について、韓国主要メディアは8月19日、「遅くとも8月中に韓国最高裁の決定が出る見通し」と伝えた。

日本政府は、資産が売却された場合には報復措置を取る構えである。そもそもこの問題は日韓請求権協定によって国際法上二国間では完全に解決している問題であり、韓国が旧朝鮮半島出身者に何らかの支払いを行うとしてもすべては韓国国内の問題だ。

現在の尹錫悦政権は、韓国国内で解決する方策も模索しているが、歴代韓国政権は支持率が低落すると「反日」姿勢を強めることから、国際法上解決している問題を韓国側が蒸し返しているということを我々はしっかりと認識し、国際社会に主張していかなくてはならない。

日韓請求権協定2条3項には、「一方の締約国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対するすべての請求権であつて同日[この協定の署名の日]以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もすることができないものとする」と明示されている。

これに対し韓国最高裁の判断は、交渉で取り上げなかった問題は日韓請求権協定の対象外だという理解を前提にしているが、「日韓請求権協定は、交渉で取り上げた問題も取り上げなかった問題も含め、韓国・韓国人と日本・日本人との間の請求権の問題をすべて包括的に解決したと解するのが自然である」(和仁健太郎・大阪大学大学院教授ほか)というのが国際法の専門家の通常の解釈である。

だからこそ韓国現政権は国内での収拾策を模索しているわけだが、これができないとなると、今度は「日本が悪い」と日本への攻撃を強める恐れがあることを、我々は過去の韓国政権の歴史から警戒しておかなくてはならない。

「旭日旗=戦争犯罪」という嘘

パリ・サンジェルマンが削除した、旭日旗を使用した広報映像

韓国による反日プロパガンダは、世界に浸透している。サッカーのフランス1部、パリ・サンジェルマン(PSG)は、今年7月の日本ツアー向けに、旭日旗を使用した広報映像を制作したが、韓国のネットユーザーに加え、韓国在住フランス人タレントのファビアン氏から指摘され、PSGはその後、旭日旗が写っている部分を削除した。

ファビアン氏は韓国側に立った主張を行う「大韓外国人」として韓国で支持されており、「旭日旗=戦争犯罪」との認識に立っている。

旭日旗は、現在も陸上自衛隊、海上自衛隊の旗のみならず、朝日新聞社の社旗にも使われており、戦前戦中も含め使用に全く問題はないわけだし、政府も同様の見解である。

私は平成29(2017)年5月11日の参院内閣委員会で、その年の4月に韓国で行われたサッカー・アジアチャンピオンズリーグで、サポーターが旭日旗を掲げたJ1の川崎に対し、アジアサッカー連盟が旭日旗は差別的だとして処分を下したことに関連し、旭日旗についての政府の見解を質した。

政府の答弁は、「旭日旗の意匠は太陽をかたどっており、使用実態としては、例えば大漁旗や出産、節句の祝い旗等、日本国内で現在まで広く使用されてきたものであり、何ら差別的なものではないと認識をしております」というものであった。

こうした事実に基づく見解をもっと世界に広めていかなければ、今回のPSGが旭日旗の映像を削除したように、韓国側の主張が正しいとされてしまう。

韓国系団体が反日プロパガンダを繰り広げていたオーストラリアにおいては、国立戦争記念館の第二次世界大戦展示室入口で、旭日旗が照明器具によって床面に投影され、来館者がその旭日旗の映像を土足で踏んで展示室内に入るという状況を平成25年9月に私は現地で確認し、駐豪日本大使館を通じてオーストラリア政府に抗議し撤回を求めた。

これに対し、オーストラリア政府は当該装置を約1か月後に撤去し、「恒久的な撤去とする」との回答があった。どういう作用があり設置されたのかは不明であったが、私が正しい事実に基づき抗議したところ撤回されたのである。

「植民地支配」とも「侵略」とも言えない

韓国のプロパガンダの元になっているのは、日本の朝鮮統治が「植民地支配」「侵略」であったというものだが、これに対しても正確な事実を認識し、しっかりとした反論や説明ができるようにしておかなくてはならない。

私は平成27(2015)年3月に、村山談話における「植民地支配」「侵略」とは、我が国が行ったどのような行為を指すものか、定義は何か、を質問主意書で政府に質した。これに対する政府の閣議決定を経た回答は、「植民地支配及び侵略の定義については様々な議論があり、お尋ねについてお答えすることは困難である」というものであった。

政府の答弁は、日本政府としての見解のみならず、当時を含めた国際的な法解釈をもとに行われており、すなわち、当時の日本の統治は、「植民地支配」とも「侵略」とも言えないのである。

こうした事実を正確に世界に広げることで、韓国のプロパガンダに対抗していかなくてはならない。過去の韓国の歴史や、他民族に統治されたことを快く思わない人々がいることなど、韓国の国家としての特徴や国民性を理解した上で、韓国による嘘も織り交ぜながら行われるプロパガンダを防いでいかなければならない。

韓国のプロパガンダに加え、欧米においても「日本は帝国主義であった」という誤った認識から韓国側に立つ人々もおり、「いつも事実を言っているのは日本である」という認識を、政府は総力を挙げて広める必要がある。

私が各国で首脳や議員と会談すると、韓国や中国のプロパガンダが影響している発言が実際に見られる。政府のしっかりとした対応を促すとともに、私も各国訪問の際に国会議員として、最新のアジア情勢とともに正確な歴史を打ち込んでいきたい。

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和田政宗

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