<レスリング>【2022年全日本学生選手権・特集】6月の連敗をばねに3大会連続優勝! 世界チャンピオンの実力を見せる…女子50kg級・吉元玲美奈(至学館大)

 

3大会連続優勝を達成し、文部科学大臣杯を受賞した吉元玲美那(至学館大)=撮影・保高幸子

 2019年に1年生で50kg級を制した吉元玲美那(至学館大)が、昨年の53kg級優勝を経て今年は50kg級で学生チャンピオンに輝いた。全4試合で無失点のテクニカルフォール勝ち。昨年の世界チャンピオンらしく周囲に比べて一段上の実力を発揮した。

 2020年大会が中止だったので「インカレ4連覇」の偉業はならなかったが、それに匹敵するV3と言えるだろう。大会最終日に発表された個人賞では、女子で初めて文部科学大臣杯を受賞。最高の形で最後の全日本学生選手権を終えた。

 だが試合後の吉元は、6月の全日本選抜選手権で本戦、プレーオフとも須﨑優衣(キッツ)に敗れて世界選手権に出られなかったことが「悔しくて…。50(kg級)は、やっぱり優衣さんだ、と思われたことがとても悔しかった」と涙声。負けたことは事実なので、「それを受け入れないとならなかった」とも話し、この大会へ向けて必死に練習をしてきたと言う。

負傷のハンディをものともせずに強さを見せた=撮影・保高幸子

 その成果の4試合圧勝だったが、実は肩を痛め、大会までの約1週間、満足な練習ができなかった。そこで、タックルに入らずに勝つ闘いを目指した。それによって闘いの幅も広がる。しかし、「どうしてもタックルに頼ってしまうことを実感した。もっと練習して、多くの課題を克服したい」と言う。

 秋は教育実習もあり、国内外の大会出場の予定はなし。「次は全日本選手権です」と気を引き締める。その間にある9月の世界選手権(セルビア)はネット中継でしっかり見る予定だが、須﨑がどういう試合をするのかを見て、それへの対策を考えるのではなく、「どんな相手にも自分のレスリングができることを追求していきたい」と話した。

 

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