藩主・静山のカッパ図初公開 平戸オランダ商館企画展

平戸藩主だった松浦静山が収集したり、描いたりした超常現象の資料やカッパ図などが並ぶ企画展=平戸オランダ商館

 長崎県平戸市の平戸オランダ商館企画展「妖(あやかし)と不思議噺(ばなし)-殿さまがみた異世界」が同市大久保町の同館2階で開かれている。カッパを題材に平戸藩主が描いた初公開の「河太郎図」など、妖怪、超常現象に関する絵画や資料など24点を展示。9月25日まで。
 第9代平戸藩主、松浦清(静山、1760~1841年)は妖怪など、人間の理解を超える災いや現象に強い興味を持ち、作品や資料などを収集。著書である「甲子夜話」で、江戸藩邸滞在中に知ったカッパやてんぐの伝承、領民らが体験した不思議な出来事などを数多く記録している。
 展示は同館が怪しく、涼しさを感じられる企画として、静山ゆかりの作品、収集品で構成。全て松浦史料博物館所蔵。
 「河太郎図」は静山が描いた絵巻で、6体のカッパが描かれた場面などがある。また、極楽や地獄を描いた「十界図」のうち、地獄部分の掛け軸6点も初公開。甲子夜話で企画に合う出来事などを、初めてパネルにして紹介している。
 平戸オランダ商館の担当者は「静山のユニークなコレクションで涼しさを感じてもらい、残暑を乗り切ってほしい」とアピール。同館は午前8時半~午後5時半。大人310円、高校生以下210円。問い合わせは同館(電0950.26.0636)へ。


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