ウクライナ侵攻から半年 「仕事もお金もない」避難民が窮状訴え ビザ更新、日本語も課題

参加者からの質問に答えるオルハさん(右から2人目)ら=茅ケ崎市共恵

 ロシア軍によるウクライナ侵攻から、24日で半年。戦禍を逃れるため多くのウクライナ人が祖国を出て日本にやってきたが、戦闘の終結が見えず不安を募らせている。茅ケ崎市内で20日に行われたトークコーナーで、ウクライナから同市に避難してきたオルハ・ティシェンコさんは「安全ではあるけど、仕事はなく、お金もない」と窮状を訴えた。

 オルハさんは米国人大学教授のダニエル・ドーランさん=同市=のサポートを受け、4月に来日が実現した。ダニエルさんによると、政府専用機に搭乗できず、ポーランドのワルシャワで2週間待機した後に、日本にやってきたという。

 ダニエルさんは、避難民が日本語を習得するのに苦労している点や、侵攻が長引き、帰国には数年かかることなどを憂慮し、「査証(ビザ)の期限は1年。いずれ更新が必要になる」と指摘した。

 トークコーナーには千葉・幕張のホテルに滞在するウクライナ人女性も駆け付け、政府が用意したホテルでアパートの見つからない避難民が100人以上生活をしている窮状も伝えた。

 この日のトークコーナーは、同市を拠点に活動するピアニスト清水友美さんが開催したリサイタルのプログラムの一環で行った。リサイタルは「音楽でたどる ヒロシマ・ウクライナ・茅ケ崎」と銘打ち、清水さんがウクライナの作曲家たちの作品などをピアノで披露した。

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