手作り梅ジャム40分で完売 弁慶市で田辺市中芳養中

朝市で手作りの梅ジャムを販売する中芳養中の2年生(21日、和歌山県田辺市扇ケ浜で)

 和歌山県田辺市の中芳養中学校2年生(21人)が21日、南高梅の収穫から加工、デザインまで手がけた梅ジャムを同市の田辺扇ケ浜カッパークであった朝市「弁慶市」で販売した。販売開始15分前には行列ができる人気ぶり。60個を約40分で完売した。

 梅ジャムの販売は、新型コロナウイルス禍で中止となった職業体験の代わりに企画した。南高梅は校内で無農薬で栽培、加工は南部高校の設備を借り、販売戦略はまちづくり会社から講師を招いて研究した。

 この日は、生徒が役割分担して販売や呼び込みを担当。最初は「いらっしゃいませ」の声を出すのも恥ずかしがっていたが、次第に大きな声で対応できるようになった。客足が途切れると、呼び込み担当はプラカードを手に会場内を回って懸命にアピールした。

 販売を担当した谷本愛里さんは「緊張した。行列が途切れたときは心配になったけど、結果的には予想より早く売り切れた」、呼び込みを担当した火縄真代さんは「最初は恥ずかしかったけど吹っ切れた。会場内を回っていると温かい反応があって、ますます頑張れた」と充実感を漂わせた。

 2人は「いい経験ができた。また販売をやってみたい。次はいろいろな工夫ができる弁当に挑戦したい」と口をそろえた。

 担任の井上一光教諭は「ゼロからの取り組みだが、生徒が自分たちでアイデアを出し合って進めた。取り組みをホームページで発信したのも生徒の発案。成長力に驚かされた」と話した。

 梅ジャム作りから販売までの活動を11月の文化祭で発表したいという。

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