福井駅東アリーナ用地、福井市が無償貸与を検討 にぎわい創生協議会「年間50数億円」の経済効果期待

福井県の福井市がアリーナ用地として一部の無償貸与を提案する見通しの市東公園=同市豊島2丁目

 JR福井駅周辺での民間主体のアリーナ整備構想について、福井県福井市が、事業候補地となっている市東公園の一部の無償貸与を検討していることが8月19日、関係者への取材で分かった。23日に開かれる県、福井商工会議所との県都にぎわい創生協議会で、建設用地の無償貸与を含めた行政支援の方向性を話し合うとみられる。

 協議会では、年間五十数億円の経済波及効果などを盛り込んだアリーナ整備の基本構想が示される見通しで、市は持続的なにぎわい創出も期待できると見込んだもようだ。

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 23日の会合で基本構想が合意されれば、東公園でのアリーナ整備の検討が本格化する。東公園は新文化会館整備計画の候補地でもあり、整合性などが市議会でも取りざたされている。財政再建に伴い2024年度まで凍結するとしていた新文化会館が再び議論となることは必至だ。

 関係者によると、基本構想では、民間主体でアリーナの整備会社や運営会社を設立し、エリアマネジメント組織も関わる「民設民営」の枠組みが示される。県内で参入の動きがあるバスケットボール男子Bリーグやコンサートなどの年間50万人超の来場や、来場者の市内消費などによる五十数億円の経済波及効果も盛り込まれる見込み。

 市では経済波及効果を踏まえ、民間の土地取得費や借地料などの事業負担を軽減する支援策として、用地の無償貸与を検討。地元旭地区の理解を前提として、引き続き東公園での整備の議論を進める考えだ。

 これまでに示されている構想案によると、アリーナは、約3万1千平方メートルの東公園のうち荒川沿いの東部約1万~1万2千平方メートルに整備し、26年春ごろの開館を目指す。5千席程度の規模とし大型ビジョンやサブアリーナなどを設ける計画。6月に開かれた県都にぎわい創生協議会の前回会合では、資材高騰で建設費が当初計画より膨らむとして、具体的な収支計画や行政の支援規模は示されなかった。  

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