アートの島に巨大な五右衛門風呂! さらに石川五右衛門の最後の晩餐を堪能!(尾道市)

広島県内にある、絶品グルメがいただける一度は行ってみたいポツンと一軒グルメ。今回ご紹介するのは、周囲12キロの小さな島・尾道市百島町にある廃校になった中学校を利用した美術館「ART BASE百島」が運営している「乙(おつ)1731-GOEMON HOUSE」。芸術家を志す若者たちが移住してきて切り盛りしています。

乙1731-GOEMON HOUSE

「ART BASE百島」は、現代芸術家・柳幸典さんが日本の原風景が残る百島に惹かれ、1990年に廃校になった百島中学校を美術館として9年前にオープンしました。

ART BASE百島

鏡の虚像により、日本の国旗を350体のウルトラマンフィギュアで表現した「バンザイ・コーナー」。砂絵にアリを入れて飼育し、アリが何週間もかけて作品を壊してできた「YUKICHI(KV644955H)」や「ユーラシア」など柳さんの独特な感性が盛り込まれたアート作品の数々が展示されています。そんな柳さんを慕って移住してきた芸術家たちは現在10名。アート制作をしながら暮らしています。

バンザイ・コーナー 作・柳 幸典

YUKICHI(KV644955H) 作・柳 幸典

「ART BASE百島」の事業の一環として運営しているのが「乙1731-GOEMON HOUSE」。今年5月、65年間空き家となっていた民家をアートで再生する長期プロジェクトで、宿泊施設とアート作品の展示空間を兼ねたアートハウスとして誕生。刺激的な現代美術と特大五右衛門風呂のある安らげない宿なんです。

乙1731-GOEMON HOUSE

普通の宿はリラックスしに来るところですが、なぜ『安らげない宿』というコンセプトなのでしょうか。それは大広間に展示されている、現在の世界情勢を考えさせられる斬新なアート作品、榎忠さんの「LSDF 020」にも関係がありました。この作品は、実際に戦地で使用された約3トンの薬きょうと、鋳物のマシンガンで作られていて、昭和時代の日本家屋に「薬きょう」と「兵器」をモチーフとした作品が同居することで、榎さんの「Life Self Defense Force(自分の生活は自分で守る)」という信念が顕現しています。

「LSDF 020」 作・榎 忠

「乙1731-GOEMON HOUSE」ではこういった作品としっかり対峙してもらい、休む暇もなく考えさせられてしまう時間を提供できたらというコンセプトから「安らげない宿」なんだそうです。

2階 宿泊室

店名は、芸予諸島を拠点に瀬戸内海の海賊・村上水軍と、安土桃山時代の盗賊・石川五右衛門がリンクし「GOEMON」とつけたそうです。その石川五右衛門といえば、五右衛門風呂。こちらには、直径1.6mの超巨大な五右衛門風呂があり、一度に4人まで入れるこのお風呂は、世界一の五右衛門風呂とも言われています。このお風呂を沸かすためには、大人2人がかりで4時間かかるそうです。

五右衛門風呂

こちらでは、瀬戸内海で獲れた魚介類をふんだんに使った石川五右衛門の最後の晩餐がテーマになった料理がいただけます。鯛の塩釜焼は、五右衛門風呂の釜のおき火で焼いています。ふっくら焼きあがっていてとっても美味しいんですよ。

石川五右衛門最後の晩餐(夕食)

この他、アサリの釜めしやハマグリの吸い物など、石川五右衛門に最後に食べてもらいたかった料理の数々が並びます。石川五右衛門の最後の晩餐とはどんなものだったのか、想像しながら楽しんでください。

アサリの釜めし

ハマグリの吸い物

日常を忘れさせてくれる異空間のアート島・尾道市百島は、芸術を愛する若者たちの夢の島でもありました。ぜひ、非日常を体験しにお出かけになってみてはいかがですか。

乙1731‐GOEMON HOUSE

尾道市百島町1731

お問合せ:0848-73-5105

宿泊:土曜日のみ 1泊2食 66,000円(2名)

ART BASE百島 公式ホームページから要予約

※ART BASE百島は土・日・月曜のみオープン

広島ホームテレビ『5up!』(2022年8月19日 放送)

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