土砂が流れ出る違法な盛り土を業者に代わり、撤去する事が決まりました。国道や大井川鉄道への土砂の流出が相次いでいた静岡県島田市の採石場跡地の処理で、静岡県が行政代執行に踏み切りました。
<三島乾児カメラマン>
「島田市の山間部、国道の脇にある採石場の跡地に、大きな盛土があるのが分かります。ここから土砂が道路へと流れ出ました」
県が行政代執行による復旧工事をするのは、島田市福用にある採石場の跡地です。6年前に採石業者が倒産して放置されたままの違法な盛り土から、大雨などによって土砂が流出。その土砂は国道へと流れ込み、2020年度から9回もの通行止めが発生していました。
<三島乾児カメラマン>
「土砂が流れ出た国道のすぐ隣には、大井川鉄道が走っているのがわかります」
2021年7月2日には土砂が国道を超えて大井川鉄道にまで達し、運休を余儀なくされる事態にまで発展しました。
<大井川鉄道広報 加冷英鵬さん>
「採石場の付近は非常に災害が発生しやすいポイントとして社内でも不安視する声が多かった。より安全に列車が運行できるようになると受け止めている」
<静岡県経済産業部森林・林業局 浅井弘喜局長>
「このままでは盛土の浸食が拡大して、直下の国道と大井川鉄道に重大な影響を及ぼす」
県は2014年から採石業者に行政指導を続けてきましたが、業者が倒産して対応できないことや2022年度に入って5回も土砂流出が相次いだことを重く見て、行政代執行を決めました。
9月中旬から道路脇に溜まった土砂の撤去や土のうの設置などの応急対策に取りかかり、2023年度以降、本格的な復旧工事が行われる予定です。