徳島県三好市西祖谷山村善徳、祖谷のかずら橋があるこの集落では、国指定重要無形民俗文化財の神代踊りが伝承されている。7月23日(旧暦6月25日)、3年ぶりに、この伝統ある踊りが地元保存会や児童によって奉納された。
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神代踊り 秘境に伝わる雨乞い祈願の舞い パート1 「神代の昔から」いにしえの民俗芸能
徳島県西祖谷 標高1000mを越えるお宮 神代踊りの奉納
いよいよ、天満宮神社へ向かう。鮮やかな衣装に身を包んだまま、各々車に乗り込む。
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ここから、山道を20分。大分距離がある。進むほどに、道も細くなり、天満宮神社付近 は、すでに人々が集まっているが、それでも山深い、特別な場所だというのが伝わってくる。
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ここは標高1033m、巨木に囲まれ、夏なのに肌寒いぐらいだ。
天満宮神社 菅原道真にちなんだ梅の紋
はじめに、天満宮に参拝する。この神社はもちろん、菅原道真にちなみ、梅の紋があちらこちらで見られる。踊り手の着物にも梅の紋、扇にも梅の紋。
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神主さんにより祝詞があげられる。前列の児童をはじめ、全員が礼。奉納の踊りの衣装を身に着けてお宮に参拝するその様子は、はるか昔も同じだったのだろう。
ほら貝の合図で始まる祭り 静寂な深山に響き渡る太鼓や鉦
参拝すると、お宮の少し下の巨木に囲まれた広い場所へ移動する。
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ほら貝の合図から、鉦、太鼓が鳴らされ、采振り、天狗、露払い、獅子、薙刀使い、棒振り、奴、草履取り、そして踊り子たちが円を描いて広場に入っていく。
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鮮やかな花笠と衣装 山の緑のコントラスト
杉の巨木に囲まれ、円を描いた踊り手たち。、男性は力強く、跳ねるように踊り、花笠をかぶった女性たちは、扇をひらひらと動かして優雅に舞う。
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曲によって、踊りの円は一重だったり、二重だったり、踊り手も女性だけになったりと、様子が変わる。唄の合いの手「そりゃ」の声も山の中へ吸い込まれていく。
山深い濃い緑の中、様々な色々が行き交い、鉦、太鼓、そして歌が響き渡る。この美しい奉納の舞に、訪れた人々も神妙な面持ちで見入っている。
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曲の合間には、見学者より、「昨日はお天気が悪かったけど、今日は晴れて良かった」「でも、雨乞い踊りだから、明日からは雨になる。」と会話や笑い声も聞こえてきた。
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パート3では、神代踊りを受け継ぐ地元の人々を紹介する。
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>>神代踊り 秘境に伝わる雨乞い祈願の舞い パート3 伝統芸能を受け継ぐ西祖谷の人々
神代踊り
西祖谷山村善徳天満宮神社
旧暦 旧暦6月25日
大歩危祖谷ナビ
文化遺産オンライン
(取材・文・写真: ショーン ラムジー)
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