交通系ICカード 2024年度に利用エリア拡大へ JR九州、長崎・佐賀の19駅に

ICカードのエリア拡大を発表する(左から)大石知事、古宮社長、山口知事=福岡市、JR九州本社

 JR九州と長崎、佐賀両県は22日、同社の交通系ICカード「SUGOCA(スゴカ)」の利用を2024年度に両県の19駅に拡大すると発表した。このうち長崎県内は佐世保、日宇、大塔、早岐、三河内、ハウステンボスの6駅。西九州新幹線(武雄温泉-長崎)開業効果の最大化や乗客の利便性向上につなげる。
 拡大エリアは長崎線の鍋島-肥前山口(9月23日に江北と改称)、佐世保線の肥前山口-佐世保、大村線のハウステンボスの計19駅。熱気球イベント中に臨時開設する駅「バルーンさが」も含めた。
 両県が実現を要請していた。対応改札機などの初期費用を両県、維持費を同社がそれぞれ負担。スゴカ以外の交通系ICカードも利用できる。
 福岡市の同社本社で3者トップが合同で会見した。古宮洋二社長は「新幹線開業で九州外から佐世保やハウステンボスに来る人が非常に便利になる」、長崎県の大石賢吾知事は「周遊の促進や佐世保線利用者の生活利便性が向上すると期待している」と話した。
 現在の長崎県内の利用エリアは、長崎駅から長崎線諫早駅までと大村線竹松駅までの計19駅。9月23日から新大村駅が加わる。24年度時点で26駅で利用できる見込み。ただ、長崎駅などのエリアと今回の拡大エリアをまたいで利用することはできない。
 合同会見では、九州新幹線長崎ルート未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方針を巡る質問も出た。国土交通省と「幅広い協議」を続けている佐賀県の山口祥義知事は、全線フル規格化に難色を示す理由を挙げる一方、「これからどうなるか分からない部分もあるが、今回3者が一堂に会したことは意義があるのではないか」と述べた。


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