米軍泡消火剤問題 神奈川・黒岩知事「全基地で代替品に早期交換を」

小野田紀美防衛政務官に要請書を手渡す渉外知事会の黒岩祐治会長(右)=23日午後、防衛省

 有害な有機フッ素化合物「PFOS」を含む泡消火剤などの製品が米軍基地で保有されている問題を巡り、小野田紀美防衛政務官は23日、米軍基地を抱える15都道府県でつくる渉外知事会(会長・黒岩祐治知事)に対し、日本本土の陸軍基地と沖縄県内の海兵隊基地で代替品への交換を済ませたことを伝えた。黒岩氏は、全ての基地で代替品への早期交換を求めた。

 PFOSを巡っては、沖縄・普天間飛行場で2020年4月に泡消火剤の大規模な流出事故が発生。渉外知事会は同年5月に基地でのPFOSの管理状況の公表や代替品への早期交換を要請していた。その後も沖縄県内や青森・空軍三沢基地、海軍横須賀基地(横須賀市)の周辺などでもPFOSが検出されている。

 黒岩氏らは23日、防衛省や外務省などを訪れ、PFOSなどを含む製品について代替品への交換状況を公表することなどを求める「特別要請」を実施。日米地位協定に規定のない環境条項を新設し、基地内で環境に影響を及ぼす可能性がある場合は地元自治体が立ち入り調査を行えるようにすることなども要請した。

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