ジャネット・ジャクソン「リズム・ネイション」は最高のダンスソング!  MVだって重要な役割がある! 聴けば容易に思い出せるダンスパフォーマンス!

ローリングストーン誌で発表されたダンスミュージック200

2022年7月22日、最も権威のある音楽メディア『Rolling Stone』から、「200 Greatest Dance Songs of All Time」というランキングが発表された。

ルーツミュージックへの評価を十分に行い、ランキングでもオールディーズ作品が上位にランクインされることの多いあの『Rolling Stone』が、ついにダンスミュージックについてのランキングを発表することになったことに大きな衝撃を受けたと同時に嬉しかった。洋楽との出会いが『天才てれびくん』シリーズでのカイリー・ミノーグやリック・アストリーなどのカバーである私は、幼いころからダンスミュージックが染みついており、身近な音楽であったからだ。

そのランキング自体は概ね満足できるのだが、私からランキングに加えたい1曲としてこの記事で取り扱う。それが、この度ベストアルバムをリリースするジャネット・ジャクソンの「リズム・ネイション」だ。

時代を創るサウンドクリエイター、ジャネット・ジャクソン

ジャネット・ジャクソンといえば、それぞれ多彩なカラーの作品となっている3~4年ごとのアルバムリリースで80年代から00年代を中心に全盛期を演出した。今回「リズム・ネイション」を選んだのには、一つにはその時代を創るサウンドクリエイトの一部を垣間見る目的もある。

「リズム・ネイション」、また収録アルバムの『リズム・ネイション 1814』のサウンド、そしてジャンルはR&Bとダンスの混合の中でもニュージャックスウィング色のあるものである。リズムを強調し、跳ねるようなビートで構成されるこの音楽が、このころ音楽界を席巻した。どうしても音楽評論はこのような「一時的に音楽界の流行となり」「乱発された」「ポップな音楽」に対して高い評価を下すことが少ないため仕方ないが、このジャンルは日本のポピュラー音楽において重要なジャンルだと考える。

安室奈美恵やLDHなどに曲提供するLL BROTHERSも音楽的ルーツはボビー・ブラウンだし、同じくLDHのルーツとなったZOOもこのジャンルであるし。またこのジャンルを通して日本語ラップの先駆者たちがラップを始めている。「リズム・ネイション」もジャネットのパワフルな声に機械的なビートで構成されているし、“ニュージャック・スウィング” という分野からも評価できる。

「リズム・ネイション」のミュージックビデオにも注目!

そしてこの曲を例のリストに加えるにあたって大きな要因が、ミュージックビデオにあると考える。

ダンスミュージックはダンスさせるためのノリのいい音楽だとするならば、その音楽を聴いて特定のダンスが浮かぶということは高い評価に値するはずである。今回のリストにはその視点が少し足りていなかったと感じたので、まさに「リズム・ネイション」こそがその穴を埋めるにふさわしい。

この時代を通ってきた洋楽通ならば、モノクロの映像に機械的なビートに合わせたキレのある集団でのダンスパフォーマンスを、この曲を聴けば容易に思い出せるはずである。帽子を深く被ったパフォーマンスは、とんねるずも番組でパロディしており、その印象・記憶がある人もいるかもしれない。

今回のリストにもぜひ加えてほしいジャネットの楽曲「リズム・ネイション」。その中でも稀少な7インチシングルバージョンが収録されているのが『ジャパニーズ・シングル・コレクション-グレイテスト・ヒッツ-』である。ぜひ付属DVDのプロモーションビデオと共に味わい直してほしい。

カタリベ: ケーリン

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