グランピング整備計画が資材高騰で白紙 福井県勝山市の道の駅隣接地、別の事業者公募へ

進出事業者を新たに公募する見込みとなった道の駅「恐竜渓谷かつやま」の隣接地=福井県勝山市

 福井県勝山市の道の駅「恐竜渓谷かつやま」の東側隣接地で進む産業団地整備計画で、豪華なキャンプが楽しめる「グランピング」の整備を予定していた民間事業者と市の誘致協議が白紙となったことが8月18日、勝山市幹部への取材で分かった。事業者が辞退を申し出たという。市はこの事業者に一括分譲する予定だった1万1600平方メートル余りの土地について、新たな進出事業者を公募する方針。

 隣接地を巡って市は2021年9月、市内2事業者の誘致を表明。今年7月には、分譲予定地全約1万4500平方メートルのうち2800平方メートルを、食品製造会社「山一食品」が取得することを発表した。残る予定地は、隣接地に独自進出したイチゴ栽培事業者の関連会社がグランピング施設を整備する計画を市に示し、両者で協議を続けてきた。

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 しかし、市幹部によると、資材高騰などで計画の先行きが不透明となり、8月に入って市と関連会社が協議した結果、関連会社が取得を辞退した。市は新たな進出事業者を公募する方針に切り替え、関連会社側には、改めて進出を検討する場合は公募に応じるよう伝えたという。

 市は今後、公募の要項などを整え、秋ごろに手続きを開始するという。立地を踏まえ観光関連などに業種を限定し、分譲予定地を3~4分割して募集する見込み。ただ事業者側の希望に合わせ、1事業者が複数区画を取得することも可能とする考え。応募が多数あった場合は、事業内容などを踏まえ選定する。

 市幹部は「関連会社と山一食品以外の事業者からも進出に関する問い合わせは受けていたので、そうした事業者に声を掛けたい」とした上で「誘客拡大のチャンスとなる2024年春の北陸新幹線県内延伸に整備が間に合うよう、公募を進めたい」と強調した。

 水上実喜夫市長は7月の定例会見で、関連会社との協議がまとまらない場合に「別途事業者の募集などをし、しっかりこのエリアを活用したい」との考えを示している。

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