与党と相談して対応 臨時国会召集に官房長官

 松野博一官房長官は23日の記者会見で、衆議院議員126人、参議院議員77人が連名で、それぞれ衆参両院に対し憲法53条に基づいて「臨時国会召集要求書」を提出し、早期の臨時国会開催を求めていることに対し「国会のことでもあり、与党とよく相談して対応したいと考えている」と述べた。

 松野官房長官は安倍晋三元総理の国葬前の臨時国会召集について「憲法53条には、召集時期について何ら触れられていないことから、決定は内閣に委ねられているもの」との見方を強く示し「臨時国会で審議すべき事項も勘案して、召集のために必要な合理的期間を越えない期間内に召集すべきものと考えている」と語った。

 しかし、自民党自身の過去の憲法改正草案でも、要求書が出された日から20日以内などとしていることや安倍元総理の国葬問題を巡って各種世論調査で「反対」が「賛成」をいずれの調査でも上回り、国費を巡っての提訴や自治体首長らの国葬参列を公費で行わないよう求める監査請求が相次ぐなどしており、国会での政府としての説明や国葬の是非をめぐる議論が強く求められていることは確かだ。

 また立憲民主党の辻元きよみ参院議員の国葬儀基準に関する質問主意書に対し、政府が閣議決定した「答弁書」では、過去の宮沢喜一元総理(内閣・自民合同葬、2007年8月28日)や中曽根康弘元総理(内閣・自民合同葬、2020年10月17日)らの時など、それまでの政府答弁書にあった「過去の先例も踏まえ・・・」との表現が今回は使われなかった。

 これについても辻元議員は「今回『過去の先例』が抜け『様々な事情』や『その都度ふさわしい形』が加えられている。『先例』を勘案したら、やはり安倍元総理を『国葬儀』にするのは、無理筋だったということか?」と強い疑問を投げた。こうした問題に関しても、国民に見える形での国会での審議が求められている。

 ちなみに福田赳夫、小渕恵三、鈴木善幸、橋本龍太郎といった元歴代総理各氏の葬儀も「内閣・自民合同葬」として行われた。なぜ、安倍氏が国葬なのか、「岸田総理の判断ミス」との声もあり、疑問に対して説明が求められている。(編集担当:森高龍二)

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