エンゼルスのモレノ・オーナーが球団売却を検討中 球団が公式発表

日本時間8月24日、エンゼルスのアルテ・モレノ・オーナーが球団売却を検討中であることが球団から公式発表された。現在76歳のモレノは球団売却も含め、様々な可能性を検討するためのプロセスを開始したという。モレノは「エンゼルスを20シーズンにわたって保有できたことは大きな栄誉であり、特権でした」とのコメントを発表。このコメントから判断する限り、モレノがエンゼルスを手放す可能性は極めて高いと言えそうだ。

モレノは2003年に1億8400万ドルでウォルトディズニー社からエンゼルスを買収。それ以降に6度の地区優勝を成し遂げたが、2016年以降は7年連続で負け越しのシーズンが続いており、マイク・トラウトや大谷翔平という球界屈指のスター選手を抱えながらもポストシーズンの舞台から遠ざかっている。

そのトラウトは日本時間8月24日のレイズ戦の試合前にメディアの取材に応じ、モレノ夫妻との関係が良好であることを明言。新しいオーナーに何を求めるかについては「勝ちたい」と語るにとどめ、今後の物事の推移を見守る意向を示した。

モレノ政権のエンゼルスはスター選手と大型契約を結ぶことが多かった一方、自軍の選手、特に先発投手の育成に苦労してきた。アルバート・プホルス(現カージナルス)、ジョシュ・ハミルトン、C・J・ウィルソンなど、大物FA選手との大型契約が機能しなかった例も多く、現在もアンソニー・レンドンが大型契約の期待を裏切り続けている。

今年のトレード・デッドラインでは、モレノが大谷の放出に難色を示したことが報じられたが、大谷の存在が球団の価値に大きな影響を与えることは明白であり、モレノが大谷放出を拒絶したのは当然と言えるだろう。球団売却までどれくらいの時間を要するかは不明だが、新しいオーナーがどのようなスタンスで球団を運営していくかが大谷の去就を左右するのは間違いない。

メジャーリーグで球団売却が成立したのはメッツが最後。2020年10月に現オーナーのスティーブ・コーエンが約24億ドルで球団を買収した。なお、エンゼルスだけでなく、ナショナルズでも現在、球団売却への動きが進められている。

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