プライドをかけた創作料理 「豚に食わせておけ」と罵倒される 「デリシュ!」本編映像

9月2日より劇場公開される、フランスを舞台に世界で初めてレストランを作った男の人間ドラマを描いた映画「デリシュ!」から、公爵の食事会で自慢の料理を披露した宮廷料理人のマンスロンと貴族たちのやりとりを捉えた本編映像が公開された。

雇い主である公爵の食事会で自慢の料理を披露したマンスロン。招かれた貴族たちは料理に大満足している。「料理長に講評をしてやってくれ。待ちかねている」と公爵が声をかけると、「いいものを味わった」「スープの艶が見事だった」「素晴らしかった」と、貴族たちは褒めたたえる。マンスロンは安堵の表情を見せ、公爵も「お気に召して何よりだ。マンスロン、完璧だった」とほほ笑む。

そんな中、それまで黙っていた司祭が「ところで これは何というパイかね」と一言。自慢の創作料理を「それは“デリシュ”です」と応じるマンスロンだが、「これは興ざめだったな」と司祭からは冷たい言葉が飛ぶ。権力者である司祭に気を使う公爵は「まさしく。前にもくぎを刺したはずだ。言われたものだけ作れと」とあわてて取り繕う。さらに、デリシュにジャガイモが使われていることが分かると場の空気は一転する。当時のフランスでは、ジャガイモは豚のエサとして使われることが多く、まして優雅な貴族の食卓に並ぶものではなかった。

「根茎だと?我々をドイツ人だとでも?」と司祭の怒りがヒートアップし、「危険な上にまずくて見た目も醜悪だ。正直 どれも彩りに欠ける」「どの料理も食べられはするが野暮ったい」「それに その口ひげは?17世紀でもあるまいに」と、さっきまで褒めていた料理に罵倒と嘲笑が飛び交う。司祭は「トリュフとジャガイモは豚に食わせておけ」と言い放つと料理を皿ごと床に投げつける。思わぬ成り行きに目が点になったマンスロンは、その場に呆然と立ちつくすのだった。

「デリシュ!」は、フランス革命前夜の1789年のフランスを舞台に、誇り高い宮廷料理人のマンスロンを描いた作品。貴族も庶民も一緒に食事を楽しむ場となった「レストラン」の誕生が描かれる。監督は、フランスで長く脚本家のキャリアを積んだエリック・ベナール。今作が長編第7作となる。主人公のマンスロンに「グッバイ・ゴダール!」「オフィサー・アンド・スパイ」のグレゴリー・ガドゥボワ。「記憶の森」でセザール賞主演女優を受賞したイザベル・カレが、マンスロンとともに料理で公爵と対決する謎の女性ルイーズを演じている。

【作品情報】
デリシュ!
2022年9月2日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国公開
配給:彩プロ
©︎2020 NORD-OUEST FILMS―SND GROUE M6ーFRANCE 3 CINÉMA―AUVERGNE-RHôNE-ALPES CINÉMA―ALTÉMIS PRODUCTIONS

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