<新型コロナ>8月はすでに270人…埼玉で死者数急増 7月は医療体制に余裕あり死者数抑制 今後は…

埼玉県庁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 埼玉県などが発表している新型コロナウイルス感染者の死亡者数が今月に入って急増している。県内の累計感染者が100万人を超えた23日には1日当たりとしては過去最多と並ぶ19人の死亡が発表され、今月1~23日の累計は計270人に上っている。

 県内の新型コロナ感染者の死者数は、第6波の頃の2月に110人、3月に210人を数えた。6月は61人、7月19人と推移したが、感染者が過去最多を更新した今月5日に約4カ月ぶりに2桁の12人に上った。12日からは12日間連続で10人以上が続いている。

 大野元裕知事は23日の記者会見で「第6、7波ではコロナの典型的な症状で重症化や死亡するよりも、既往症や合併症が多い」と説明。さらに「医療機関に余裕があった7月時点では死者数は関東圏や他の人口500万人以上の県と比較して3~6分の1くらいにとどまっていた。医療機関が(重症化リスクのある患者を)トリアージすることが大切」と話し、診療体制により7月は死者数を低く抑えられていたとの考えを示した。

 県感染症対策課も「コロナによる肺炎などよりも、もともとの持病が悪化して亡くなる感染者が多い」と指摘。また、7月に比べて新規感染者数も増大し、全体の人数が増えているのに比例して死者数も増加しているとの見方を示した。

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