違法時間外労働2割 残業150時間超も 長崎労働局、2021年度437事業場調査

 長崎労働局は、2021年度に長時間労働が疑われる県内437事業場を監督指導した結果、23.8%の104事業場で違法な時間外労働を確認した。このうち21事業場は残業が「過労死ライン」とされる月80時間を超えた。
 同局によると、21事業場のうち15事業場は月100時間を超え、中でも3事業場は月150時間以上に達していた。
 情報提供や過重労働による労災請求があった事業場を対象に抜き打ちで調査した。全体の63.8%に当たる279事業場で労働基準関係法令違反を確認。時間外労働の104事業場のほか、サービス残業が18事業場、健康診断など健康障害を防ぐ措置を怠ったのが82事業場あった。同局はそれぞれに是正を勧告した。
 ある建設会社は年度末などの繁忙を理由に、違法な時間外・休日労働が増加。労使協定で定めた上限勤務時間の月80時間を超えた従業員が8人、うち6人は100時間オーバーとなった。同局の指導後、同社は対策として、増員や代替要員の確保に加え、工期終了後の振り替え休日や休暇の取得を促進させた。
 法令違反をした279事業場を業種別で見ると、保健衛生業59▽商業57▽製造業36▽接客娯楽業、建設業28▽その他27▽運輸交通業11-の順だった。
 同局は11月の過重労働解消キャンペーンで重点的に監督指導する方針。


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