警官による武力行使 正義と呼ばれる「暴力」について考究 ドキュメンタリー映画「暴力をめぐる対話」予告

9月24日より劇場公開されるドキュメンタリー映画「暴力をめぐる対話」の、予告編が公開された。

予告編では、2018年からフランス政府への抗議が続く「黄色いベスト運動」における警官隊と市民の衝突の映像をもとに、警察の暴力をめぐる出演者たちの白熱した対話が映し出されている。「デモ隊の破壊行為を放置するのか?」「みんな警棒で殴られていた」など、傷を負った当事者や警察関係組織、弁護士らが互いの見解を語り合い、正義と呼ばれる「暴力」の原因と結果を考究していく姿が収められている。

「暴力をめぐる対話」は、2018年からフランス全土で政権に抗議を続ける「黄色いベスト運動」に対する警官による武力行使の記録映像などから、人間や国家が抱えるジレンマを追及したドキュメンタリー映画。武力によるデモの鎮圧という「暴力」は正当な行為と呼べるものだったのかという、民主主義国家における重要な問題に対して、傷を負った市民や警察関係組織、弁護士、社会学者、心理セラピストなど24人に、デモの現場を映した多くの映像を提示。対話を促し、疑問を語り合いながら、正義と呼ばれる「暴力」について考究していく。

日本公開に際し、ダヴィッド・デュフレーヌ監督からコメントが寄せられた。コメントは以下の通り。

【ダヴィッド・デュフレーヌ監督 コメント】
この映画が遠く離れた地で公開されることを知り、この上ない喜びを感じています。なぜなら、これこそが映画の力だから。人々の意見や視点、そしてその相違を、空間と時間の旅へと送り出すことができるのが映画だからです。私は2012年に別の作品「Fort McMoney」で東京を訪れたこともあったので、なおさらです。最高です。
日本の警察の行いや市民との関係性についての知識はありませんが、ぜひ知りたいと思っています。この映画が公開されることで、ひょっとしたら反響が得られるかもしれません。一つ確かなことは、全ての民主主義国家は今まさに岐路に立っているということです。国民の前で、警察はどのように振る舞うことができ、またできないのか? 警察はどんな秩序を守るのか? 改めて、この映画が日本で公開されることを大変嬉しく思います。ありがとう。そして映画を楽しんでください!

【作品情報】
暴力をめぐる対話
2022年9月24日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
配給:太秦
© Le Bureau - Jour2Fête – 2020

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