元Jリーガー、長崎で子どもらに指導 国見高出身の兵藤さんと中村さん 部活の地域移行にも関心

ゲーム形式の練習で子どもたちと汗を流す兵藤さん(写真上)と中村さんからパスのこつを教わる子どもたち(写真下)=長崎市営ラグビー・サッカー場

 国見高出身の元Jリーガー、兵藤慎剛さん(37)と中村北斗さん(37)による小学5、6年向けの無料サッカー教室が20日、長崎市営ラグビー・サッカー場で行われ、子どもたち約70人がトップアスリートから一流の技術や考え方を学んだ。
 2人は鬼ごっこやパスの練習を通じて、サッカーでよく言われる「周りを見る」とはどういう意味なのかを分かりやすく指導。敵や味方の位置、どこに大きなスペースがあるかを的確に把握してボールをどう扱うかを判断するという基本の大切さを教えた。
 緊張で子どもたちの動きが少し硬いとみると、兵藤さんが「サッカーでは絶対に失敗の数の方が成功の数よりも多くなる。だから、レベルの高い失敗をたくさんしよう」「サッカーをやっているときは、きついけれど頭をフル回転させて考えてやることが一番大事」などと声をかけ、子どもたちは自分なりのベストプレーを心がけていた。
 座学の部では、兵藤さんがなぜプロになれたかを自己分析した。(1)人生の主役を自分自身にする(2)人の話を聞く力を持つ(3)夢を持ち、達成するための手段をさまざまな角度から考えて書き出す(4)できたこと、できなかったことを日々振り返る-に努めてきたと伝えた。
 参加した長大付小5年の市原寛太朗君(11)は「国見が好きで、お父さんが今回のイベントを見つけてきてくれた。2人ともうまくて、考え方とか勉強になることが多かった」と満足そうだった。
 今年2月に現役引退を発表した兵藤さん。「これまでの経験や人脈を地元に還元したい」との思いから、今回のイベントを自ら企画し、運営の細かい部分まで自身で作り上げた。スポーツ選手のセカンドキャリアや部活の地域移行などの問題を踏まえ、今後は長崎でアスリートの派遣事業や部活顧問の支援事業などを模索しているという。


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