柔道・井上康生氏と羽賀龍之介、ウクライナから一時避難の子どもたち指導「生き生きとした姿うれしく」

ウクライナの選手に助言を行う井上氏(左から2人目)=浅野高

 柔道日本男子前監督の井上康生氏(44)とリオデジャネイロ五輪銅メダルの羽賀龍之介(31)=旭化成=が24日、横浜市神奈川区の浅野高を訪れ、同市に一時避難中のウクライナの子どもたちを指導した。約2時間半にわたって稽古をつけた井上氏は「生き生きとやっている姿をうれしく思った。今後も柔道ファミリーとして力になれることがあれば参加していきたい」と語った。

 横浜市と日本財団の支援事業の一環で、同国南部オデーサ市の柔道クラブ「ヨーロッパ」に所属する12人が参加した。羽賀は代名詞である内股の足の運びなどを伝授。「大きなエネルギーをもらった。力強さやスピードがあり、長い目で見れば脅威になってくると感じた」とたたえた。

 この日は同国の独立記念日であり、ロシアによる侵攻から半年となった。「一日も早く平和になり、一つの目標に向かって闘い合う時間を共有したい」と羽賀。ひた向きに投げ技の習得に励んだデニス・ポリトゥロ(15)は「ウクライナでは稽古ができない状況だが、有名な選手に教えてもらえてうれしい。帰国したら仲間にも経験を伝えたい」と話した。

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