食堂で働く従業員14人が体調不良を訴え、このうち2人が一時意識を失った自動車メーカースズキ(本社:静岡県浜松市南区)の事故、現場では何が起きていたのでしょうか。
<野田栞里記者>
「今回の事故の現場はスズキ本社の社員1万人の食事が提供可能な社員食堂の厨房です。カウンターを挟んだ厨房エリアでは、8月23日、55人のスタッフが働いていて、そのうち14人が救急搬送されました」
「関係者によると、事故の原因は調理室にはないと早々に判断されたため、きょう24日も調理室は使用し、食事を提供したということです。しかし、皿などを洗う洗浄室はきょうは使用せず、洗い物ができないため、食器は使い捨てのもので対応したということです」
<瀬崎一耀キャスター>
「事故の原因は、洗浄室にありそうということですか」
<野田記者>
「倒れた14人の調理スタッフはこの洗浄室で作業をしていました。ここにはガスを動力とする大型の食洗器があり、付近からは一酸化炭素が検出されています。この状況から考えられる事故原因について化学に詳しい専門家に聞きました」
<静岡理工科大学 山崎誠志教授>
(Q.考えられる事故原因は?)
「(大型の食洗器が関係する)その場合は機械の燃焼系のところにトラブルがあってうまく燃えていない完全燃焼せず、不完全燃焼した形での器具の不具合ですね」
山崎教授は、これにもう一つの条件が重なったのではないかと指摘します。
<静岡理工科大学 山崎誠志教授>
「換気が影響しているのかなということは考えられます。例えば、換気扇ですね。換気ダクトに油が付着してて換気がうまくいっていなかったとかですね」
<野田記者>
「山崎教授は考えられる事故原因として、食洗器の不具合などにより一酸化炭素が発生し、さらに換気が不十分だったため、空気中の酸素が減ったという、2つの要因が重なって起きた事故ではないかと指摘しました。消防などによる調査の結果が待たれます」