バーチャルシンガー・花譜、Vtuber初の武道館公演開催 満員の7000人が熱狂

バーチャルシンガーの花譜(18)が24日、Vtuberとして初の日本武道館公演「不可解参(狂)」を開催した。バーチャル映像と現実の歌声がリンクし、光やCGなどの最新技術を駆使したVtuberならではのライブ演出。自身3度目となったワンマンライブでアンコールを含む全29曲を歌い上げ、満員の7000人の観客を熱狂させた。公演中、ツイッターでも公演タイトルがトレンド1位になる瞬間があるほどの盛り上がりだった。

夢の舞台に感情が爆発した。代表曲「命に嫌われている-カンザキイオリCover」では「武道館~!」と叫び、両腕をあげながらジャンプ。身体全体を倒し「生きろー!」と魂の込もった歌唱に、観客はペンライトを振り上げ全力で応えていた。花譜は「夢のような現実をみなさんと今日一緒に迎えられたのが本当にうれしい。みなさんのおかげです。ありがとうございます」と感謝を述べた。

花譜は、燕がモチーフという灰色基調の衣装で登場。ギター、ベース、DJ、ドラム、キーボード、ピアノ、カルテット(バイオリン×2、ヴィオラ、チェロ)の豪華バックバンドの生演奏に負けない声量で会場全体を震わせた。スペシャルゲストの「大森靖子」、「たなか」、「MIKEY」らリアルアーティストとのコラボレーションでは、2次元と3次元が融合するバーチャルシンガーならではの空間が生み出された。

ラストは初めて自身が作詞・作曲した「マイディア」で締めた。武道館公演のために用意した曲だといい、「私は誰かに向けて歌を書いたことがなかったので、少し不安だったけど、プロデューサーさんとやりとりを沢山繰り返して、マイディアは、去年、高校三年生の夏頃にできた曲です。そして、お察しかと思いますが、マイディアは、そう、今歌を聴いてくれているあなたのことです。親愛なる人はいつだって歌を聴いてくれるあなたでした。本当にありがとう」。感謝の思いを歌にぶつけた。

終演後には、花譜の3周年を記念した10大プロジェクトの全てを公開。新情報として、3rdアルバム「狂想」の発売決定やライブシリーズ「不可解」の完結編「不可解参(想)」の開催が発表された。

花譜は18年10月から活動開始。素顔を明かさず、3Dモデリングされたアバターを使って活動し、ユーチューブチャンネル登録者数は70万人、総再生回数は2億回を超える。先日、経済誌「Forbes JAPAN」が主催する「世界を変える30歳未満」30名を選出する「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN 2022」ではエンターテインメント部門を受賞した。

(よろず~ニュース・松田 和城)

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