モチモチ麺にたっぷり牛肉…こだわりのフォー 福井県鯖江市のベトナム料理店「フォーナ138」

米粉の生麺にこだわった「牛肉フォー」(手前)と、ベトナム風サンドイッチ「バインミー」

 東南アジアの中央部に位置し美しい民俗衣装アオザイなどで知られるベトナム。実は、福井県内で暮らす約70カ国の外国人のうち、ブラジル人に次いで多いのがベトナム人(2021年12月末現在)。彼らが古里の懐かしい味を求めて足を運ぶ店が鯖江にある。福井鉄道西鯖江駅のすぐ近く、ベトナム人夫婦が営む「フォーナ138」だ。

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 首都ハノイ出身の真柄りなさん(36)は、母親の再婚を機に19歳のときに来福した。「ベトナム人が気軽に交流できる場をつくりたい」。そんな思いで夫のけんさん(37)と21年11月にオープンさせたのがこのお店。本職は通訳という真柄さん夫婦。店ではりなさんが調理、けんさんは接客を担当している。

 ベトナム料理でまず思い浮かぶのが「フォー」。米粉の平打ち麺をさまざまな具材とともに楽しむ、現地では屋台の定番食だ。同店では牛肩ロース、タマネギなどを12時間煮込んだスープで味わう「牛肉フォー」が人気。こだわりは「乾麺ではなく生麺を使うこと。母国の味に近づくんです」とりなさん。

 モチモチの麺、うま味たっぷり優しい味わいのスープ、たっぷり盛り付けられた軟らかい牛肉。どれもいい仕事してます。別皿のレモンを搾り、パクチーを投入して“味変”。口の中がぱっとさわやかになった。

 本場屋台の味をもう1品。フランスパンに具材を挟んだ、ベトナム風サンドイッチ「バインミー」。りなさんお勧めの、チャーシューとベトナムハム、ダイコン、ニンジン、キュウリの漬物を挟み込んだ具だくさんのバインミーをいただいた。

 チャーシューとハムは厚めにカットされ食べごたえ十分。それ以前にパンがおいしくてびっくり。外はカリカリ、中はもっちり。近くのパン屋さんで特注しているそうだ。サイズも大きくて、これ一つでかなりの満足感。アイスクリームを挟んだおやつ感覚のバインミーもあるというが、いやいや、もうおなかパンパンです。

 ◇フォーナ138 福井県鯖江市桜町1丁目3の8。営業時間は平日の午前11時~午後4時と土、日曜の午前11時~午後9時。月、火曜は定休だが、月曜が祝日の場合は午前11時~午後4時で営業する。電話090-9441-5384。

ベトナム料理「生春巻き」の作り方

 ベトナムの伝統的な家庭料理の生春巻き。地域ごとに巻く具材が異なるのが特徴で、りなさんの出身地ハノイではエビやビーフン、ベトナムハムを使う。風味付けにフライドオニオンを入れるのがりなさん流だ。

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