家族を作れなかった時代のゲイのヘアメイクドレッサー 人々の記憶の中に存在 「スワンソング」本編映像

8月26日より劇場公開される、実在のヘアメイクドレッサー、パトリック・ピッツェンバーガーをモデルとした映画「スワンソング」から、本編映像の一部が公開された。

公開された本編映像は、派手なピンクのハットにリュックを背負ったスウェット姿という奇妙な出で立ちのパットが、洋品店で服を探すシーン。指につけられた大量の指輪でかつての街の名物ヘアメイクドレッサーであることに気づいた店主。若い頃に一度だけパットの店ですてきな姿にしてもらった思い出話をする店主だが、パットはそのことを忘れている。そんなパットに、とっておきの逸品である淡い緑のスーツと紫のハットを差し出す店主。新しい衣装に身を包んだパットは、思い出した店主の思い出話を語り始める。

誰も自分のことなんて覚えていないと思っていたパットだったが、実際はさまざまな人の出来事や思い出と密接につながっていた。最愛のパートナーを亡くして独り身となり、家族を作ることのできなかった時代のゲイであるパットだが、多くの人々の記憶の中に残っていることがわかるシーンとなっている。

「スワンソング」は、引退したヘアメイクドレッサー、パトリック(パット)・ピッツェンバーガーが、亡き親友の最後のメイクを施す旅を描いた作品。ゲイとして生き、最愛のパートナーを早くにエイズで失っていたパットは、仕事への情熱や亡き親友への複雑な思い、そして自身の過去と現在を思い起こす。監督を務めたのは、17歳の時にオハイオ州のゲイクラブでパトリック・ピッツェンバーガーが踊っているのを見て衝撃を受けたというトッド・スティーブンス。ウド・キアーが、パット役を務めている。

【作品情報】
スワンソング
2022年8月26日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
© 2021 Swan Song Film LLC

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