「ありがとう」ORCのJA801B “ラストフライト” 離島と本土結び21年

退役したJA801Bの前で記念撮影する社員=大村市箕島町、長崎空港

 長崎県内離島と本土を21年間結んできたオリエンタルエアブリッジ(ORC、大村市)のプロペラ機「DHC8-200」型機の1号機、JA801B(乗客定員39人)が、23日夜の対馬発長崎行きを最後に退役した。長崎空港の格納庫ではラストフライトを終えた機体を社員が迎え、別れを惜しんだ。
 JA801Bは、ORC前身の長崎航空から社名が変わった2001年に導入された。定期便のほか、県内の遊覧飛行やチャーター便として南西諸島を飛ぶなど活躍。構造上の寿命となる着陸回数8万回を迎えたことから退役が決まった。
 23日は長崎と壱岐、五島福江、対馬を結ぶ計6便で運航し、最終便は午後8時半ごろ長崎空港に着陸。機内では「ラストフライト」がアナウンスされ、到着後に乗客から拍手が起きたという。機体から降りた乗客が記念撮影したり、手を振ったりする姿も見られた。

コックピットで到着後の点検をする社員

 エンジン部やコックピット内のスイッチ、無線など到着後の点検を通常通りにした後、けん引車で格納庫へ。以前同機で乗務していた人も含め、約100人の社員らの前で機体の電源が落とされると「お疲れさま」と拍手が送られた。その後、社員らは機体に思い思いのメッセージを書き込み感謝を伝えた。

 最終便で機長を務めた今泉信三さん(66)は「私の入社1カ月前に就航した“先輩”。横風に強い機体で、雨の日も風の日も一緒に飛んできた。『ありがとう』という言葉以外にない」と感慨深げに語った。
 JA801Bは今後解体される。同社は同型機を2機保有。後継としてATR社の2機を導入する計画を進めており、年内にも1号機が到着予定という。

機体にメッセージを書き込む社員

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