親子で学ぶ「水道の歴史」ツアー 明治期の旧海軍整備施設など見学 佐世保

明治期に造られた山の田貯水池の地下トンネルを見学するツアー参加者=佐世保市桜木町

 長崎県佐世保市の水道の歴史を親子で学ぶツアーが21日、同市桜木町の山の田貯水池・浄水場であり、小中学生が明治期に旧海軍によって造られた施設などを見て回った。
 1889(明治22)年に旧海軍佐世保鎮守府が開庁。近代日本の「水道建設の父」と呼ばれる海軍技師の吉村長策が中心となり、山の田貯水池・浄水場などを整備し、1907年に水道管を使った市民向けの給水が始まった。
 ツアーは給水開始から115周年を記念して市水道局が企画。小中学生ら15人が参加し、市教委文化財課の川内野篤係長が案内した。
 参加者は貯水池の地下につながる非公開のトンネルに入り、暗闇を懐中電灯で照らしながら明治期から現役の取水装置などを確認。ろ過で使っていた旧施設も見学した。その後、現在稼働している浄水場を見て、最新のろ過技術を学習。川内野係長は「ここでは最古と最新のシステムを見ることができる。日本でも珍しい場所」と紹介した。
 家族4人で参加した市立清水中3年の永田悠菜さん(15)は「知らない歴史がたくさんあり、楽しく勉強できた。水の大切さを感じた」と満足そうに話した。


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