「世知原茶」スイーツ開発 県立大佐世保校2、3年生 特産品の知名度向上目指す

県立大生が開発した世知原茶を使ったフルーツサンドとスムージー

 長崎県立大佐世保校経営学科の2、3年生12人が、佐世保市の特産品「世知原茶」の知名度向上などを目指し、世知原茶を使ったフルーツサンドとスムージーを開発した。同大が運営する平戸市のカフェで販売も検討している。統合型リゾート施設(IR)の誘致を想定し、利用する海外からの訪問客に商品を販売して、世知原茶を国内外に広めるビジネスモデルも構想している。

 ■若者の緑茶離れ

 地域課題の解決と地域活性化を目指す講義「地域における経営実践」などの一環。昨年度から提携している小林製茶(世知原町)の商品を使い、経営課題の解決に役立つ製品などを提案する。
 学生らは4月から茶畑を訪れ、後継者不足など茶産業の厳しい現状を聞き取った。経営学の知識を下に分析し、ブランド茶である一方▽「6次産業化」が進んでいない▽県北地区以外の顧客が少ない▽若者の緑茶離れ-などの課題を挙げた。

世知原茶をふんだんに使ったスイーツを開発した学生ら=佐世保市、県立大佐世保校

 ■お茶のサブスク

 課題解決に向け、世代を問わずお茶を手に取りやすいスイーツを開発。全て学生の手作りで、フルーツサンドはパン生地と生クリームに粉末緑茶を混ぜ合わせた。ほろ苦い風味のクリームでバナナなどを挟む。緑茶を混ぜたクリームは全国的にも珍しいという。スムージーは緑茶と相性の良い豆乳やホウレンソウなども混ぜ、健康面に配慮。商品価値を高めるために、特製の焼き印やシールも作った。
 ビジネスモデルでは、お茶を使った製品を開発する会社や、お茶を定額制で販売する「サブスクリプション」なども提案。現時点では提携先が未定で、大量生産が難しいなどの課題や、農家の減少による受け皿不足の現状もある。
 3年の稲村茉南(まなみ)さん(21)は「課題は残っているが、いつかビジネスモデルが実現し、世知原から日本茶の魅力を発信したい」と話した。同社の小林隆行専務(49)は「(開発などを)考える幅が広がった。地域の活力になる」と学生への期待を語った。


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