織田裕二が相場英雄・原作の「ガラパゴス」で主演。「演じる上でこれほど『…怖い』と感じたことはない」

織田裕二が、2023年にNHK BSプレミアム・BS4Kで放送予定の特集ドラマ「ガラパゴス」(日時未定)で主演を務める。本作は、相場英雄による同名小説をドラマ化した刑事ドラマで、織田は捜査一課・継続捜査班の刑事である主人公・田川信一を演じる。また、戸田山雅司氏が脚本を手掛け、若松節朗氏が演出を担当する。

田川は、鑑識課の木幡祐子(桜庭ななみ)に頼まれて身元不明の死者リストを調べていた。リスト「903」の男性が一酸化炭素中毒自殺に見せかけて殺害されたことを見抜いた田川は、木幡と共に彼の死を丹念に捜査し、沖縄県出身の派遣労働者・仲野定文(満島真之介)だと突きとめる。

一方、特殊班捜査係の鳥居(伊藤英明)は田川の行動に目を光らせつつ、裏では人材派遣大手「ホープネス・ホールディングス」の森社長(髙嶋政宏)、自動車メーカー「ヒラガモーターズ」の松崎社長(鶴見辰吾)と緊密な関係を結んでいた。そして、田川は生前の仲野が「ホープネス・ホールディングス」系列の人材派遣会社に登録し、「ヒラガモーターズ」の自動車工場で働いていたことを知る。仲野がネット上で何かを告発しようとしたことも明らかになるが、果たしてその真相とは?

織田は「バブルが弾け、日本経済ははい上がれずにいる。なぜか? 『ガラパゴス』を読んで、今の日本がどういう状態にあるのか。いかに危ういか…今の円安は崩壊の始まりなのか? このドラマを見て胃が痛くなるかもしれない。ただ、これほど解かりやすく、今の日本の問題点をあぶり出してくれる作品はないだろう。僕も、演じる上でこれほど『…怖い』と感じたことはない」と作品の意義を伝える。

また、原作の相場氏は「働いても働いても一向に給料が上がらない…先進7カ国中で最も平均給与の安い国が日本だ。世界的に見ても特段に規制が緩和され、派遣労働者の数が大多数となった日本の労働市場のいびつさが原因の一つだ。原作を描いた7年前よりも、働く者を取り巻く環境はより苛烈(かれつ)になっている。ドラマの中で、リアルな田川警部補がどのように悪の存在をあぶり出していくのか。多くの視聴者は、粘り強い田川の捜査にくぎ付けとなるはずだ。田川がたどる容疑者確保への道筋は、あなたが直面している厳しい生活の写し鏡かもしれない」とメッセージを寄せている。

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