岡山県 コロナ自己検査導入 月内にも、発熱外来負担を軽減

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療の逼迫(ひっぱく)を受け、岡山県は発熱などの症状がある人に抗原検査キットを無料で送付し、陽性が確認されれば自らオンライン登録してもらう仕組みを導入する方針を固めた。流行「第7波」で混雑する発熱外来の負担軽減が狙いで、早ければ月内にも開始する。

 関係者によると、検査キットの配布や陽性者情報の登録を担うセンターを県が新たに開設。症状がある人は専用のウェブサイトからキットの宅配を申し込み、到着後に自主検査する。陽性判定が出れば、結果が示されたキットの写真を添えてオンラインで報告し、センターの医師が確認した上で陽性者と認定される。

 認定後は原則、市販薬を服用するなどして自宅療養し、必要な場合のみ発熱外来を受診する。キットの申し込みから到着には2日ほどかかる見込み。市販のキットは対象外とする。

 軽症で重症化リスクの低い若者を対象にスタートし、状況に応じて他の年代への拡充を検討する。陽性者については当面、センターが氏名や生年月日を記した「発生届」を保健所に提出するが、政府が24日に示した感染者の全数把握の見直し方針を踏まえて届け出をやめる可能性もあり、フォローアップ体制は今後詰める。

 岡山県によると、第7波急拡大で発熱外来に患者が殺到。特に休診が増える日曜・祝日は4~5時間待ちになったり、すぐに予約枠が埋まったりするケースもあるという。

 新型コロナの自己検査を巡っては、岸田文雄首相が推進の意向を表明しており、兵庫や大分県などが既に導入している。

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